エンタがビタミン

writer : sekihara

【エンタがビタミン♪】<高見沢俊彦ライブレポ>Takamiyの真骨頂、メロディアスなメタルで圧倒 王子が“和”のパフォーマンスも

アマチュアバンド時代に「5回中5回失敗した。今回はリベンジで」とユーライア・ヒープの『Look at Yourself(邦題:対自核)』を、そしてステッペンウルフ『Born to Be Wild(邦題:ワイルドでいこう!)』を演奏すると、少年に戻ったかのような笑顔を見せた。

さらには最近ハマっているというカラオケマシンを紹介してから、桑名正博の『哀愁トゥナイト』のライブバージョンに続き、ソロ1stアルバム『主義-Ism:』やベルリンの壁の思い出を語ってから『壁の向こうのFreedom~Berlin Rain』を披露、「どこから切っても高見沢と分かる曲にしたい」と作られた最新曲『薔薇と月と太陽…』からは、“禁断の愛”をテーマにした楽曲パートへ突入した。本編ラストの『Endless Dream』では、ギターを持たずにハンドマイクで熱唱、最後にジャンプして着地と同時にしゃがみ込んだ。

アンコールでは『薔薇と月と太陽…』のカップリング曲『恋愛Gigolo』、そして前シングル曲『誘惑の太陽』では会場のファンがポンポンを持ち、振りを楽しむ。この2曲はEDM(Takamiyではエレクトリック・ダンス・メタル)だ。続けて今年5月に亡くなった西城秀樹さんが歌い日本でも大ヒットした『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』をカバーして、当時のように「Y.M.C.A.」の文字をみんな両手で作り、大いに盛り上がった。

さらにはアニメ主題歌をTakamiy流にカバーした『ヤッターマンの歌』(シングル『VAMPIRE ~誘惑のBlood~』カップリング曲)の後は、坂本冬美の『夜桜お七』へ。Takamiyのアルバム『Fantasia』に収められている楽曲だが、もちろんTakamiyらしくメタル調にアレンジされている。これをこのライブでは振袖を羽織るような和服をイメージした衣装で、日本刀を持ちパフォーマンス。炎がボンと次々に上がり、足元にも火がユラユラと燃えている。圧巻の演出と相まって、高見沢に目も耳も釘付けになる。

『夜桜お七』で和のパフォーマンスを見せる高見沢俊彦(C)Tadashi Maeda

2度目のアンコールでは「大切な思い出たちに心を込めて」とギタリストは高見沢一人で演奏した『Song for You』に続き、客席が「ヘイ!」とこぶしを突き上げひとつになる『騒音おばさん VS 高音おじさん』へ。ここで3人のギタリストが高見沢の代名詞ともいえるエンジェルギターで、ステージ中央前に出て並び、ギターを弾きまくる。これぞ高見沢のライブならではの光景だ。

演奏を終えると、高々と両手をあげて歓声を浴び、上手・下手・中央で深々と頭を下げ、感謝を伝える高見沢。去り際に人差し指を立てて、客席に無言で問いかける。再び「もう一曲?」と無言で問いかけると客席から大歓声が沸いた。この日2回目の『薔薇と月と太陽…』を観客に贈り、鳴りやまぬ拍手の中、高見沢はステージを後にした。

この日のMCで高見沢は「Takamiyメタルの神髄はメロディアスであること。これは自分の中で曲げてはいけない」と自身に言い聞かせるように語った。昨年リリースしたソロ活動25周年記念ベストアルバム『美旋律 ~Best Tune Takamiy~』のタイトルの通り、Takamiyの楽曲はどんなにハイスピードでビートが効いた曲であっても、美しいメロディーがしっかりと存在する。そのメロディーを高見沢持ち前のハイトーンボイスでときに伸びやかにときにアグレッシブに歌い上げる。これらが何と言っても譲れない武器、高見沢の真骨頂だろう。「ここで得た刺激は(THE ALFEEの)秋のツアーに持って帰る」と観客に誓った高見沢。THE ALFEEの秋の全国ツアー『THE ALFEE 45th Anniversary Best Hit Alfee 2018 秋ノ巻 Château of The Alfee II』は、10月4日から埼玉県・サンシティ越谷市民ホールからスタートだ。

写真撮影:Tadashi Maeda
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)

『Takamiy 2018 Metal of Renaissance』で演奏する高見沢俊彦(C)Tadashi Maeda

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