落とし物を拾ったら警察もしくは持ち主のもとへ届けるという当たり前の行為が、残念ながら今では珍しくなってしまったのだろう。このほどイギリスで、およそ15万円が入った財布を路上で拾った女子中学生が正直に届け出たのだが、財布の持ち主が見つかる前に「自分の財布だ」と主張する5人の申告者が現れたという。英メディア『Metro』『Mirror』などが伝えている。
デヴォン州エクセターに住むケイトリン・ジェフリーさん(13歳)はある日、路上に財布が落ちているのを見つけた。中身を見ると1,000ポンド(約15万円)の現金が入っており、ケイトリンさんは近くの店に持って行き、事情を説明して財布を預けた。店主は警察に財布を届け、ケイトリンさんはなんとか持ち主を見つけようとしたが、唯一の手掛かりとなるのは財布の中に入っていた30代ぐらいの男性の写真のみだった。
その後、どこから情報を得たのか「自分が財布の持ち主」と主張する5人の人物が警察にやってきたのだ。そこで警察はソーシャルメディアを使って本当の持ち主を探したところ、80歳の年金受給者であるデニス・クラットワーシーさんのものであることが判明した。
ソーシャルメディアを通して20人以上から連絡をもらったデニスさんの息子マークさん(57歳)は、父親を連れて警察署を訪れた。財布の中にマークさんの古い名刺が入っていたことからデニスさんのものであることが確実となり、財布は中身ともども無事に持ち主のもとへ戻ることとなった。
ほぼ全盲で聴覚障がいもあるデニスさんは、銀行へ向かう途中に地元の精肉店へ立ち寄り、その時に財布を落としてしまったようだ。13日に拾い主であるケイトリンさんとテレビ番組『Good Morning Britain』で初めて顔を合わせたデニスさんは、