アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】現金入りの鞄を置き忘れた南ア人。無事に戻り「この国に落とし物を届ける人がいたなんて!」

南アフリカの大型ショッピングセンターの駐車場には、「カーガード」と呼ばれる人々が働いている。彼らは駐車場で車の交通整理や荷物の積み込み作業などを手伝う。基本給が安いため、運転手からもらうチップで稼ぐこととなる。

8月8日のこと、クワズール・ナタール州のピーターマリッツバーグにあるショッピングセンターの駐車場で、カーガードとして働くデイビッドさんは普段どおりに仕事していた。そこで駐車場に放置されていたショッピングカートの中に鞄があるのを発見、周りに持ち主らしき人は誰もいない。南アフリカの場合、カーガードが盗んだとしても「きちんと管理していないから盗まれるのは当然」と、持ち主の不注意で終わる。しかしデイビッドさんは違った。

「私はクリスチャン。人のものを取るのは罪だ」という彼は、目先の欲より自分の信じる道を選んだ。

デイビッドさんは、その鞄をショッピングセンターの施設警備員のところへ持っていく。中身を確認したところ、携帯電話、身分証、運転免許証、そして現金が1万5400ランド(約14万9000円)も入っていた。大金であるがゆえに喉から手が出るほど欲しかっただろうが、彼らもまた真っ当な道を選ぶ。

施設警備員はその鞄に入っていた携帯で履歴にあった番号へ電話をかけたところ、持ち主の弟につながった。そしてその横に持ち主本人がいたのである。

鞄の持ち主であるジェイコブさんは、ショッピングセンターですべての荷物をトランクに入れたと思い、カーガードに3ランドのチップを渡して車で走り去った。鞄のことはまったく気づいていなかった。弟の電話で施設警備員から「ショッピングセンターへ戻るように」と言われても、思い当たらなかったそうだ。だが、いざ家に帰ろうとした時にようやく鞄がないことに気づき、慌ててショッピングセンターに駆けつけた。

ジェイコブさんは鞄の中のものが何も盗まれてないことを知ると、驚きとともに安堵した。「この南アフリカに、落とし物をきちんと届け出る人がいるということが信じられなかった」と話すジェイコブさんは、カーガードのような低賃金を嘆き彼らに400ランドのチップを渡したという。

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(TechinsightJapan編集部 FLYNN)