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writer : shiina

【海外発!Breaking News】バングラデシュ人男性とロヒンギャ女性の婚姻が判決で無効に「市民権取得を防ぐため」

息子達の婚姻が法的に認められるよう、またショアイブさんが逮捕されないよう同年12月10日に嘆願書を提出した。しかし今年に入り高等裁判所はホセインさんの訴えを却下、逆にホセインさんに法定費用として10万タカ(約13万4000円)の支払いを命じた。

ホセインさんは、2人の結婚は市民権取得が目的ではないと主張しており「バングラデシュ人がキリスト教徒、あるいは他宗教の信者と結婚することができるなら、私の息子とロヒンギャの女性との結婚のなにが悪いのか? 彼はバングラデシュの難民キャンプに暮らすイスラム教徒と結婚しただけなのに」と訴えている。

ホセインさんが言うように、バングラデシュ人が国籍の異なる者と結婚することは法的には禁止されていない。だがロヒンギャとの結婚だけが禁止されているこの法律は、バングラデシュ国内でも議論となっているようだ。元法務大臣シャフィック・アハメド氏(Shafique Ahmed)は「結婚により市民権を得たロヒンギャが様々な問題を巻き起こす可能性がある。政府がこうした結婚を認めれば、彼らを送還させることが不可能になるため、この法律は理に適っている」と主張した。

一方でダッカ大学国際関係学教授C・R・アブラル氏(C・R・Abrar)は「政府が出した禁止令は、国民の人権と自由を認めているバングラデシュの法律、そして国際人権基準に反したものだ。イスラム教徒の結婚はシャリーアに基づくが、これは個人の契約となる。ロヒンギャとバングラデシュ人の双方がイスラム教徒であり、シャリーアの下結婚が行われたのであれば、彼らの結婚は何の問題もないはずだ」と苦言を呈している。

画像は『Dhaka Tribune 2018年1月8日付「Man fined for petitioning against government ban on Bangladeshis marrying Rohingyas」(Bigstock)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)

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