舞川:何を「故郷」と言うか分からないですけど、(台湾では)ほっとするというか、自分らしくいられて、私にとっての故郷ですね。台湾の血が流れているんだと感じます。日本で仕事をしているので住もうという気にはならないですけど、定期的に帰って初心に帰ったり、ベースを取り戻したいときには帰るようにしています。
■私が好きな台湾や私のルーツを見てほしい
―今回の写真展の作品はいつ頃撮影したものですか?
舞川:去年から今年にかけてです。今回、台湾の中でも私が好きな部分を見て欲しいと思いました。他にも両親を誘って2人が出会った場所やよくデートをした場所といった「自分のルーツ」も辿りながら撮影しました。台北だけではなく台中、台南、高雄でも撮影しました。
■撮影スポットまで山道を2、3時間歩く
―特にお気に入りの作品はありますか?
舞川:台北101タワーの夕景の写真ですね。撮影が大変だったので思い出に強く残っています。101タワーはいつも見上げる形で撮っていたので、写真展では引いてイルミネーションがきれいな101タワーを展示したいなと思いました。調べたら象山からきれいに撮れると知って、象山に登ったんですけど、撮影スポットまで2、3時間かかるので、途中までタクシーで行ったのですが、降ろされた場所がまったく違う場所で…。そこから撮影スポットまで2、3時間歩いて日が沈むまで待って、すごく大変だったので、この景色を見られて本当に良かったです。最初は夜景を撮るつもりでしたが、見えた景色があまりにも美しくて写真展では夕景にしました。帰る頃には真っ暗になっていて、照明がないのでケータイのライトを頼りに下山しました。
■ランタンに書いた願い事は…
―それは本当に大変でしたね。他にも気に入っている写真はありますか?
舞川:十分(じゅうふん)の写真ですね。(空に浮かんでいる)これはランタンなんですよ。ランタンには願い事を書いて火を灯して空に上げるんです。すぐ飛ぶと願い事が叶うと言われています。
―舞川さんも願い事を何か書きましたか?
舞川:書きました。「世界平和」とかですよ。そういう感じです。夢を抱いて来ている人がたくさんいるので、ここに来るだけでパワーがもらえます。ここは列車が一時間に1本通るんですけど、通っていないときは線路の上に上がれるんです。列車が通る10分前になると係員が「横にはけて」と言うのですが、(列車が通るのは人と)スレスレですよ。
■台湾の魅力をみんなとシェアしたい
―日本にはない光景ですね(笑)。今回の写真展で伝えたいことは何でしょうか。
舞川:台湾の魅力ですね。私が好きな瞬間をみんなとシェアしたいなと思っているので。
―では、台湾の魅力とは?
舞川:全部! 人懐っこさとか素朴ですかね。すごく人間らしい場所だと思います。自分の事より相手を大事にしたり、人が優しいですよね。人と人との距離感が近くて心地いい場所です。
■写真展について思い続けた一年
―ところで、今年はどのような一年でしたか?
舞川:ずっと写真展のことを考えていました。モデルの仕事の合間を縫って(台湾に撮影に)行っていたので「次はいつ休みあるかな」「どんな写真を撮ろうかな」と。台湾の写真展をずっとやりたいと思っていて今年やっと叶うので、自分の中で気持ちが盛り上がって毎日考えていましたね。今も緊張もありますが、終わったら寂しいんでしょうね。
―では、来年はいかがでしょう?
舞川:来年もし写真展が出来るのであれば、もう一回台湾を撮りたいです。仕事の合間を縫って行っていたので、もっとじっくり時間をかけて春夏秋冬の台湾を見せたいです。そして日本と台湾の懸け橋になれたらいいですね。
■写真展開催スケジュール
オリンパスギャラリー東京 2017年12月15日~12月20日
オリンパスギャラリー大阪 2018年1月26日~2月1日
※展示作品の写真やオリジナルグッズも販売予定
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)