現在深刻な水不足に陥っている南アフリカ・ケープタウン。堅実な家庭では雨水をバケツに溜めて、庭の水まきやトイレ、掃除用の水として利用している。今月10日、そのバケツの水でまだ2歳にもならない男児が溺死するという痛ましい事故が起こった。
水不足が深刻化しているケープタウンでは、9月3日より水の使用制限レベルが“5”となっている。家庭の水の使用量は一人あたり一日87リットルに制限され、月2万リットルの水道水を利用すると罰金となる。また車やボートの洗車、簡易プールの使用、庭の水やりなどが禁止され、必要最低限の水の使用しかできなくなる。
市では2018年1月1日から制限レベルを“6”に引き上げることも公表しており、観光客が集中する時期の水の使用制限は市にとって大きな打撃となる。多くの市民が水の節約に奮闘している中、幼い命が犠牲となった。
1歳8か月のコノー・ウェバー君と姉のグレースちゃんの両親は仕事で家を留守にしており、いつものようにベビーシッターが子供たちの面倒を見ていた。しかしベビーシッターが昼食を作っていたすきに、活発なコノー君が居ないことに気付いた。慌てたベビーシッターは両親に連絡し、家中を探しまわった。
ベビーシッターは両親が到着する前に、雨水を溜めているバケツの中でぐったりしていたコノー君を発見した。この時心臓はまだ動いており、コノー君は病院へ緊急搬送されたが、12月10日に死亡が確認された。
コノー君の叔父は「コノーのあまりにも早すぎる死に、家族は悲しみで打ちひしがれています。水を溜めていたのがアダとなった。水は少量であったものの、幼い子は簡単に溺れてしまいます。子供を持つ家庭はこのような悲劇が起こりうることを知ってもらいたい」と語り、ショックを隠し切れない様子だ。
コノー君の死から2日後の12月12日には、