夫婦で仲良く通ったお気に入りのレストランに、今日も足を運ぶ93歳の男性。しかしその隣に妻の姿はなく、代わりにテーブルの上に妻の写真が飾られている。妻亡き後も思い出の場所に通い続け、ランチをとる男性の深い想いとは―。真実の愛について考えずにはいられない胸を打つストーリーを『WTOC.com』『PEOPLE.com』『Today』などが伝えている。
米ジョージア州グレンビルに暮らすクラレンス・パーヴィスさん(93歳)が生涯の伴侶キャロライン・トッドさんに出会ったのは1948年、クラレンスさんが24歳、キャロラインさんが16歳の時だった。
2人はすぐに恋に落ち、翌年に結婚した。それからキャロラインさんが2013年11月22日に81歳で他界するまで、およそ64年にわたり2人は共に人生を歩み家庭を築き、3人の子供、6人の孫、2人のひ孫に恵まれた。亡くなるまでの13年間は、夫婦でお気に入りの地元のレストラン「Smith’s Restaurant」へ向かい一緒にランチを楽しんできたという。
キャロラインさんの亡き後も、クラレンスさんは変わらずそのレストランへ足を運ぶ。愛妻の姿はなくとも、キャロラインさんの写真をテーブルの上に置いて食事をするのだ。
「妻が生きている時はいつも私と一緒にいたからね。だから今でも一緒にいるんだ。」
そう語るクラレンスさんの姿はもはやレストランでは見慣れた光景であり、経営者のジョイス・ジェイムズさんはこのように話している。
「クラレンスさんは、今ではこのレストランの一部のような存在です。彼が亡き妻の写真と一緒に食事をする姿は多くの人に感動を与えています。また、どうやったらそんなに深い愛をずっと持ち続けることができるのかと不思議に思う人さえいます。私も夫に『私にもしものことがあったら、私の写真をいつもテーブルに置いて食事してくれる?』と尋ねると『君のことはとても愛しているけれど、そこまではちょっとできないかな』と言われましたから。」
中には、クラレンスさんはとても孤独で新しいガールフレンドが必要なのではと心配する人もいるようだが、クラレンスさん自身は亡き愛妻への深い愛を保ち続けることにむしろ誇りさえ感じているようだ。
「私と妻のように、相手を想っていたという人はいないんじゃないかな。妻は私が彼女を愛する気持ちと同じように、私のことを愛してくれていたんだ。妻が望んだことを私もいつも望んでいたし、私の望んだことを妻も望んでくれた人生だったよ。」