長年連れ添った仲の良い夫婦の最期のお別れ。最愛の妻の旅立ちに、夫は繰り返しその名を呼び、手をさすり、時には愛や感謝を口にする。そしてこの男性は、妻をどうにか元気づけようと彼女が愛したあるラブソングを歌って聴かせるのであった。
YouTubeに投稿された1本の動画が「あまりにも泣かせる」と話題を呼んでいる。病との闘いに敗れ、間もなく天国に召されようとしている最愛の妻。親族が集まった病床で、夫は妻の手をさすりながら、妻がかつて喜んで聴いて歌っていたというある歌を歌い始めた。その動画を撮影したのは夫妻の孫娘、エリン・ソラリさんである。
すでに90歳を超えているその夫妻。夫のハワードさんは結婚73年間という妻のローラさんが間もなく最期を迎えると知り、優しく頭や顔、首をなでながら「君は僕のスイートハート、いつも愛しい君のそばにいるよ。僕は最高に素晴らしい男だっただろう?」などと言いながら温かい歌声で彼女を包み始める。それは懐かしの女性歌手、アリス・フェイが1943年にヒットさせた“You’ll Never Know”というメロウなラブソング。第二次世界大戦のために出兵したハワードさんを想いながら歌っていたローラさんの最も好きなラブソングを、ハワードさんは自分の気持ちに代えて歌ったのだ。
“君は決してわかってないね。僕がどれほど君を恋しく思っているか、僕がどれほど君のことを気にしているかを。君への愛を隠すことなんてできっこない。どうかわかって欲しい。100万回でも口に出して君にちゃんとそう告げるべきだったね。”
こちらが20日に投稿されたその動画で、タイトルは“Man sings to 93 year old dying wife”。嬉しそうにハワードさんの顔を見つめながら、ローラさんもか細い声で一緒に歌おうとしている。ハワードさんはメガネの奥の涙を必死に拭いながらの熱唱で、そんな夫妻を見守る家族は皆もらい泣きが止まらない。エリンさんは撮影した理由を「その1分間に仲が良かった祖父母の愛の集大成をみた気持ちでいっぱいになりました。この素晴らしいシーンを皆さんにも是非見て欲しかった」と述べている。残された方の喪失感、悲しみはどれほどのものか、長年連れ添った仲の良い夫婦の別れはあまりにも切ないものがある。
※ 画像はYouTubeのサムネイル。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)