「生前に孫の顔を一目見せてあげたい」と妊娠中の18歳女性が、アルツハイマー末期症状の43歳の母親のためにある決断をした。陣痛促進剤を投与し2週間早く生まれた赤ちゃんは健康で、孫を腕に抱くことができたことを喜んだ母親はその1週間後に旅立った。『Mirror』『The Sun』などが伝えている。
英リンカンシャー州クリーソープスのマンディー・ウィルキンスさんは、長男のアーロンさん(21歳)、双子のエリスさんとジョージアさん(18歳)の3児の母として幸せに暮らしてきた。ところが6年前、マンディーさんが37歳の時にアルツハイマー病と診断された。
家族は悲しみに暮れたが、3人の子供たちは懸命に母をサポートしてきた。しかし今年9月の初めにマンディーさんは余命僅かで、もうすぐ生まれる孫の顔を見ることは叶わないだろうと医師から告げられた。
ジョージアさんはパートナーのショーン・ハンリーさん(19歳)との間に第1子を身ごもり、出産予定日が10月7日であった。だがこのままでは「おばあちゃんになるのが待ちきれない」と楽しみにしていた母の願いを叶えてあげることができないと思い、陣痛促進剤を使って出産を早める決断を下した。リスクが高いことを助産師に警告されたが、ジョージアさんの決心は揺るがず、最終的には病院から承諾をもらい9月23日の午後9時22分、グリムズビーにあるダイアナ・プリンセス・オブ・ウェールズ病院で元気な男の子「セオ君」を出産した。
病院からマンディーさんへビデオコールし、初孫の顔を見せたジョージアさん。8週間前から会話ができなくなっていたマンディーさんと言葉を交わすことは無かったが、おばあちゃんになったマンディーさんには喜びに溢れ、可愛い孫の顔が映った画面から目を離すことができなかったようだ。後日、セオ君を腕に抱き涙を流したマンディーさんは、それから1週間後に息を引き取った。