愛する人と結婚し家族を持つことが夢だった女性が、わずか31歳にして「認知症」と診断された。余命は10年あるかないかという状況の中で現在、女性はつきっきりの介護を受けている。この女性の妹が英メディア『Mirror』『The Sun』『Cambridge News』に心境を語った。
英サフォーク州に暮らすベッキー・バーレッタさん(32歳)は、2015年10月に恋人のルカさんと結婚した。しかしその数か月前から、ベッキーさんに異変が現れたという。
挙式を控えていたベッキーさんは「最高の花嫁姿で式をしたい」という気持ちから、ジョギングに精を出していた。だが同時期になぜかクライアントに不適切な態度を取りきちんと対応しないといった変化が見られ、心配した家族や友人らは検査を勧めるもベッキーさんはなかなか病院に行きたがらなかった。
家族がベッキーさんを心配した理由は、これまで身内が認知症で早くに他界しているという事実があった。ベッキーさんのおじのジェイムズさんは認知症と診断され50代で他界、ベッキーさんと妹ソフィーさん(30歳)の母のいとこにあたるフィリパさんも認知症を患い40代という若さでこの世を去った。
ソフィーさんの必死の頼みでやっと検査を受けたベッキーさんは、結婚から10か月後の2016年8月、ジェイムズさんを診察した医師によって「前頭側頭型認知症」という診断を受け、余命10年と宣告された。それから1年が経った現在、両親の家に住み24時間つきっきりの介護を必要とするまでになってしまった姉のことを、ソフィーさんはこのように話している。
「姉は素晴らしいスキー・インストラクターで私の自慢でした。子供たちにもいい先生で、みんなから好かれていました。アウトドアが好きでとても美しかった姉の姿はもうありません。この病気は若ければ若いほど進行が速いそうですが、認知症と診断されてから姉の症状は悪化し、同じ話を何度も繰り返したり不適切な言葉を発するようになりました。一緒に出かけても、見知らぬ人に走り寄って『面白い音を出せる?』などと尋ねたりするのです。外見が元気そうな姉は認知症には見えないので、理解できない人には不快に思われてしまいます。一緒にいるのが恥ずかしいのではなく、そんな姉の姿を見るのが辛いのです。それに結婚したばかりで姉が認知症になったため、夫ルカさんの辛さを思うとやり切れません。姉は前から結婚して子供を3人持つことが夢だったんです。認知症は姉の夢を奪い去ってしまいました。」