アルツハイマーは認知症の一種として知られるが、珍しい遺伝子変異により早い年齢で発症することもあるようだ。このほどその病と診断された1児の母のニュースを英メディア『Mirror』や『Metro』が伝えた。
英ロンドン東部のレイトンストーンに暮らすジェイド・グリーンさんは今年7月7日、27歳という若さでアルツハイマーの遺伝子を持っていることが明らかになった。
ジェイドさんは10歳の時に両親が離婚し父親のマイケルさんに育てられたが、12歳になった頃から父親に認知症の兆候が表れ始めたという。「父は話し方も不明瞭になり、忘れっぽくなりました。一日何時間もボーッと座っているだけということが多くなり、身の回りのこともできなくなったので、私たちは父方の家族と一緒に住んでいました」とジェイドさんは話す。父親の家族はそれらの症状がアルツハイマーだとはわからなかったようだが、後に遺伝性の「早期発症型家族性アルツハイマー病」と判明した。
8年間の闘病生活を続けたマイケルさんは2010年、52歳の若さで介護施設で息を引き取った。ジェイドさんのおじであるブライアンさんは昨年、58歳で同じ病により他界し、もう一人のおじのデイヴィッドさんとおばのキャロラインさんも現在その病を患っているという。
ここ数年間、ジェイドさんはこの病のことを考えてきたが、数か月前に検査を受けることにした。ジェイドさんにはパートナーのマイケルさん(36歳)との間に1歳になる長男フレディくんがおり、息子のためにも検査を受けようと思ったそうだ。
その結果、父親と同じ遺伝子を持っていることがわかり、ジェイドさんはショックを受けた。家族に50%の確率で遺伝し、早い年齢で起こるアルツハイマーはだいたい42歳~45歳にその兆候が出始めるとされる。ジェイドさんはその年齢までまだ15年あるが、最悪の場合はフレディ君が中学校を卒業する姿を見ることができないという可能性もあるのだ。