エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】『バイキング』路線変更か? 東国原氏登場で坂上忍に変化 激しい討論に「こんな番組ではなかった」

お昼のバラエティ『バイキング』がここのところ白熱している。参院選を振り返り、ゲストに自民党・片山さつき議員、社民党・福島みずほ議員を迎えると、東国原英夫氏が社民党の現状と将来を辛辣に指摘。メインMCの坂上忍が慌てて話題を変更する事態になった。

7月15日放送の生ホンネトークバラエティ『バイキング』(フジテレビ系)では、“参院選生激論 憲法改正”をテーマに前述議員の他に元衆議院議員で弁護士・タレントの横粂勝仁氏を迎え激論が交わされた。それは、レギュラーの土田晃之がほとんど発言できぬ白熱ぶりで「数年前までこんな番組ではなかった」と感慨深げに唸ったほどだ。

定番ゲストの東国原英夫氏が参院選の結果について「野党がだらしない。特に社民党」と持論を炸裂させ、福島みずほ議員を一瞬絶句させた。しかし福島議員も「確かに厳しい選挙だった」と東国原氏の指摘を受け止めつつも、野党共闘の黒子的役割は果たした自負はあると冷静に応じた。その後、別のゲストも次々と発言するなか、MCの坂上忍が「ちょっといいですか」と割って入り「福島さんもすごく大人な対応をされたと思うが、今、(このシーンが)一部で大炎上している恐れがあるので」と話題を次のテーマに進める事態となった。ちなみに東国原氏が福島議員に指摘した趣旨が16日の『横粂勝仁(弁護士・税理士・元衆議院議員)公式ブログ』で取り上げられている。

熱い議論が様々な視点から飛び交うなか、雨上がり決死隊の宮迫博之が「生活に追われて忙しい人は選挙前に政党や政治家の論点を勉強する時間はそんなにない。極端な話、紙芝居で説明するくらいしてくれないと分からない」と主張して多くから共感を得た。宮迫の言う通り、プロの政治家や評論家が専門用語で討論しあっている内容を、テレビ画面で見て理解できる人は少ないというものだ。

さらに、今回の参院選は前回と比べてテレビ露出が約3割減少しているとのデータが紹介された。前回の参院選は、NHKではニュース・報道番組と情報・ワイドショーで合計13時間36分放送されたが、今回はニュース・報道番組のみになり、放送時間も合計10時間34分に減った。また、民放では前回がニュース・報道番組と情報・ワイドショーさらに、バラエティ番組と合わせて22時間21分放送されたが今回は民放の全番組を合計しても、15時間27分に減少している。政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏は「選挙へのテレビの影響はかなり大きい」と見解を示しており、さらに報道される時間(量)だけでなく討論形式など番組の“質”も大切だと指摘する。

坂上忍が『バイキング』はバラエティなので報道番組などに比べて「もっと言えないことが出て来る」と言えば、榎並大二郎アナウンサーが「どちらかに傾いてはいけませんので、慎重を期して本日もお送りしています」とうなずいた。「ホントそうなのよ!」と訴えるように叫ぶ坂上の横から東国原氏が「ギリギリで俺はしゃべってるからね!」と念を押すのだった。

思えば『笑っていいとも!』の後継として2014年4月1日にスタートした『バイキング』は『いいとも』や裏番組の『ヒルナンデス!』などと比較されてネットでの批判が少なくなかった。そうした状況を挽回しようと苦肉の策として、2015年3月から月曜MC担当だった坂上忍が全曜日のメインMCを務めている。さらに2016年3月いっぱいで『ライオンのごきげんよう』が幕を下ろすと4月から『バイキング』の放送時間が11:55 ~13:45まで拡大され、番組HPでは「生ホンネトークバラエティ」を謳い、視聴者のdボタン生投票を活用するなど工夫を凝らしてきた。ただ、当初は出演者の討論もテーマに沿って“当たり障りなく進められている”という気迫の薄さが気になったものである。

ところが、最近の『バイキング』は「生ホンネトークバラエティ」という謳い文句が飾り言葉ではないほど充実した内容が続いている。きっかけとなったのは、東国原英夫氏。東国原氏が金曜日ゲストとして出演を始めてから、坂上忍に火が付いたように見える。芸能界のスキャンダルや家庭不和などの話題には自身の体験や知識で対応できるものの「待機児童問題」や「舛添都知事問題」から「都知事立候補」そして「参院選」となると、それぞれ専門的な知識が必要だ。最近の坂上忍の進行を見る限り、彼の相当な努力の跡が見られる。7月12日(火)には石破茂地方創世担当大臣が生出演したが、憲法改正や次期首相についてあそこまで切り込めるタレントも少ないだろう。あまりの白熱ぶりにレギュラーの土田晃之が「これ『バイキング』ですよね?」と思わず“確認”したほどである。

テレビでの選挙報道が減ったという事実がある一方で、今度は番組の“質”が問われている。宮迫博之の言う「紙芝居」くらいの分かりやすさを追求するバラエティ番組として今後の『バイキング』に期待したい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)