ペットに関するちょっと驚きのニュースがオーストラリアで話題となっている。暑い季節に犬が突然ぐったりし、瀕死の状態に陥ってしまった場合、熱中症ではなく人が使用している保冷剤を誤って食べたりしていないか十分な注意が必要であるそうだ。そしてそのような時、命を救う最後の手段になるものとは…!?
豪メディア『ヘラルドサン』がこのほど、メルボルンにある動物の緊急医療センター『Animal Accident & Emergency』に瀕死となって運び込まれた犬が、意外な形で救われたというニュースを伝えて話題を呼んでいる。マルチーズとテリアを掛け合わせた愛犬のチャーリー君を抱いてそこに駆け込んだのは、ジャシンタ・ローズウォーンさんという女性。そこで医師から告げられたのは“できるだけたくさんのアルコールを体内に入れる”という驚くような言葉であった。
チャーリー君に下された病名は、エチレングリコール中毒による腎臓機能の低下。ジャシンタさんが「パーティを行った際、クーラーボックスに入れていたアイスパックを誤って食べたようだ」と説明したためだ。強制嘔吐や胃の洗浄で解決するには遅すぎたが、肝臓代謝により致死的な毒性物質が作り出されるには幸い至っていない。そんな状態のチャーリーの命を救うために医師がとった治療方法は、強いアルコール(エタノール)の大量注入。肝臓がアルコールの代謝に必死になることでエチレングリコールの代謝がおろそかになり、体外に排出されることを期待するものだ。こうして700ml分のウォッカを静脈注射の形で2日間にわたり注入されたチャーリーは、かなり酒臭い息にはなったものの、ついに健康な体を取り戻してジャシンタさんとともに自宅に戻って行った。
キャンプやパーティ、食品の運搬に大活躍ということもあり、ジェルを冷やし固めたアイスパックを冷凍庫にいくつも保存しているという家庭は多い。ただし、その中身にエチレングリコールの入っているものはペット、乳幼児、認知症患者などが口にしないよう特に注意が必要だそうだ。これを誤って食べた場合、肝臓での代謝を経て嘔吐、神経症状、貧脈などが起き、量にもよるが腎不全を起こして死亡することも稀ではないという。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)