残念ながら戦争においては多国籍軍の友軍、あるいは民間施設などへの誤爆行為が度々伝えられている。このほど、アフガニスタンで米軍機が自国陸軍の陣地に向け誤って爆弾を投下したという昨年撮影された映像が流出し、波紋を広げている。
アフガニスタンで対テロ戦争を続けている米陸軍兵の家族らが、不安と不信感でいっぱいになってしまうようなビデオ映像が流出した。現役および退役軍人らで作る有名なコミュニティサイト『funker530.com』に、アフガニスタンの戦地で2013年に撮影された誤爆の映像が投稿され、それを世界のメディアが紹介(画像はnews.sky.comのスクリーンショット)。この一件が公になっていなかったことから兵士の家族や関係者の間に衝撃が走っている。
アフガニスタン東部パクティカ州の丘陵地帯のある岩場の窪みを利用し、カモフラージュ柄のネットや枝木を用いて陣地を構えていた米陸軍「第1歩兵師団(1st Infantry Division)」の数名。映像は兵士のヘルメットに装着されたビデオカメラが捉えた3分間ほどのもので、上空を戦闘機が突き抜ける音とほぼ同時にズドンという激しい衝撃をくらい、陣地の屋根や土のう、備品などが吹き飛んだ。
兵士全員が無事であったが、陣地の15メートル先に投下された約500ポンド(約226キロ)もの爆弾が米軍によるものであったことに、誰もがショックを隠し切れない様子。米兵同士とは言え陸と空の間で情報伝達がうまくなされていなかったこと、その陣地のカモフラージュが巧みではなかったことなど様々な原因が考えられるためだ。当初は年内に予定されていた同国での戦闘終了と駐留米軍撤退の計画が、来年以降にずれ込む可能性を見せており、現在約5万人と言われる米兵やその帰還を待つ家族の間には失望感が漂っている。そのような中でのこの映像の流出には考えさせられることも多い。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)