エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】大河ドラマでもおなじみの歌舞伎役者。市川亀治郎時代も堪能できる「猿之助への軌跡展」

二代目市川亀治郎が四代目市川猿之助を襲名したことを記念して、京都芸術劇場 春秋座で「猿之助への軌跡展」が開催中だ。市川猿之助は亀治郎の頃から大河ドラマ『風林火山』や『龍馬伝』に出演するなど、テレビや映画でも活躍する歌舞伎役者として知られる。今回の展覧会では歌舞伎界での彼の足跡を大型写真パネルや貴重な映像で見ることができ、歌舞伎入門にうってつけといえそうだ。

歌舞伎界での活躍ついては、12月5日より開幕している『四代目市川猿之助襲名記念/京都芸術劇場 春秋座 芸術監督就任記念「猿之助への軌跡展」』での楽しみにとっておくとして、2012年の6月に二代目市川亀治郎改め、四代目市川猿之助を襲名した彼のテレビドラマに関するエピソードに触れてみたい。

市川海老蔵片岡愛之助などテレビドラマや映画でも活躍する歌舞伎役者は少なくない。市川亀治郎もNHK大河ドラマ『風林火山』(2007年)で、ドラマ初出演にして武田信玄役でメインキャストを務める人気ぶりだった。『龍馬伝』(2010年)では最終回で坂本龍馬を暗殺する京都見廻組・今井信郎という大役を熱演している。

彼は他にも多数のドラマや映画に出演しているが、この『龍馬伝』で暗殺者・今井信郎に彼を抜擢したのが主演の福山雅治であることは市川亀治郎の人柄を知る上でも興味深いエピソードだ。

亀治郎は、ラジオ番組『福山雅治のオールナイトニッポン』がまだ2部で放送されていた頃からの熱いファンである。高校生だった彼はすでに歌舞伎役者として活躍していたのだが、「福山さんに会うにはどうしたら良いか」と真剣に悩んだという。

彼は自分が歌舞伎役者として頑張れば、いつか福山雅治に会う日が来るのではないかと稽古に励んだ。やがて関係者から伝わって福山も彼の気持ちを知ることとなる。2008年に企画された『俺たちのオールナイトニッポン 40時間スペシャル』内の『福山雅治の魂のラジオ』で、ついに亀治郎が送ったメッセージを読んだのだ。

それをきっかけに2人の交流が始まり、福山が自分のライブに亀治郎を招待した際に初対面を果たしている。そして福山の『龍馬伝』主演が決まった。亀治郎は福山雅治から直々に「知らない人からは斬られたくない…是非、君に斬ってもらいたい」と今井信郎役を依頼された。それほど2人の信頼関係は深いのである。

ちなみに、『龍馬伝』の最終回で福山が演じる龍馬と一緒に暗殺される中岡慎太郎役は上川隆也だった。約1年後、TBSの日曜劇場『JIN-仁- 完結編』でその中岡慎太郎を演じたのが市川亀治郎だ。NHK大河ドラマとライバル番組といわれた『JIN-仁-』でも同じ役に選ばれたのは、亀治郎の演技がよほどハマっていたからだろう。

ドラマで市川亀治郎ファンになったことで歌舞伎に興味を持つ者も多い。「猿之助への軌跡展」はそうした歌舞伎初心者でも楽しめる内容となっている。来場者のアンケートや感想からもその素晴らしさが伝わってくる。

・「写真パネルは迫力があり、見ごたえがありました」(60代・女性)
・「大好きな猿之助さんを学内で見られて最高です。期間中もう1回見に来ます」(10代・女性)
・「若い世代を含め、幅広い層に興味を持ってもらえる催し物だと感じました」(20代・男性)
・「京都には南座以外本格的な歌舞伎舞台がないと思っていたが、春秋座を見て驚いた。今度は舞台を見に来たい」(70代・男性)
・「猿之助さんの今までの活躍や、映像による『四ノ切』の舞台裏が観ることができ嬉しかったです」(50代・女性)

このように、歌舞伎に詳しくなくても目で楽しめる展覧会であり、また、歌舞伎通でも満足のいく充実した内容なのだ。

■四代目市川猿之助襲名記念
京都芸術劇場 春秋座 芸術監督就任記念『猿之助への軌跡展』

会場:京都芸術劇場 春秋座(京都造形芸術大学内)
会期:2013年12月5日(木)~23日(月・祝)
 ※12月16日(月)休館
URL:http://www.k-pac.org/index.html
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

【エンタがビタミン♪】大河ドラマでもおなじみの歌舞伎役者。市川亀治郎時代も堪能できる「猿之助への軌跡展」