エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「君に斬ってもらいたい」。『龍馬伝』で龍馬暗殺役に市川亀治郎が抜擢された本当の理由。

昨年大ヒットしたNHK大河ドラマ『龍馬伝』で坂本龍馬を暗殺する役を演じた市川亀治郎が、なぜその配役となったかを明かした。龍馬伝最終回から半年以上が過ぎた今、彼も全てを語れたようだ。

ドラマ『龍馬伝』の最終回で、近江屋で坂本龍馬と中岡慎太郎を襲った京都見廻組の3人のうち龍馬を斬った今井信郎を演じたのが歌舞伎役者の市川亀治郎だった。龍馬伝の放映前から龍馬暗殺犯のキャストが話題になるほど注目された役どころだ。8月13日に放送されたテレビ「メレンゲの気持ち」に出演した市川亀治郎はなぜ自分がその重要な役に抜擢されたのか、経緯を語った。

市川亀治郎(35)は、龍馬を演じた福山雅治(42)とは実は10年以上前から縁があるのだ。彼はラジオ『福山雅治のオールナイトニッポン』を2部の放送時から熱心に聴いており、本気で「福山さんに会うにはどうしたら良いか」と考えたという。彼が出した結論が「まずは自分の目の前の仕事を頑張ろう」だった。市川亀治郎の場合は歌舞伎役者として稽古を積むということだろう。やがて彼が福山雅治のファンだということが知られて2008年にはオールナイトニッポンSPの『福山雅治の魂のラジオ』で福山へ送った亀治郎のメッセージが紹介されたのだ。

このことで福山雅治も市川亀治郎の存在を意識するようになった。そんなある日、亀治郎は福山から電話でライブに招待されたのだ。夢のような気分でライブを楽しんだ亀次郎は終了後に福山の控え室へ呼ばれたのである。緊張して彼が向かうと控え室前には他の芸能人や関係者が多数訪れて順番待ちしていた。亀治郎が福山に呼ばれたのは最後だった。つまりじっくりと時間をとって会ってくれたのである。初対面の2人はしばし言葉も出ずに対峙した。やがて福山が「やっと会えたね」と微笑んで握手してくれたのだった。

そんな出会いがあり市川亀治郎と福山雅治の関係は深まった。そして昨年、大河ドラマ『龍馬伝』の配役の件で福山本人から亀治郎へ依頼があったのだ。福山龍馬は「知らない人からは斬られたくない。君は歌舞伎の所作もあるし、(岩崎)弥太郎に似ているんだ。是非、君に斬ってもらいたい」と頼んできたのである。

市川亀治郎は『龍馬伝』で、今井信郎の暗殺前の近江屋周辺での緊迫感が溢れる様子から暗闇での龍馬暗殺シーンまでを手に汗握る演技で演じきった。そこには福山との互いの信頼関係が大きな力となっていたのだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)