お笑いコンビ・ウッチャンナンチャンの内村光良(48)にとって、地上波NHK総合で初レギュラーとなるコント番組が始まる。共演者には、塚地武雅(ドランクドラゴン)や田中直樹(ココリコ)という役者としても評価の高い芸人を揃え、脚本は『笑う犬シリーズ 』や『サラリーマンNEO』を手掛けた作家らが受け持つ。「スタジオコントが冬の時代」と言われる今、内村光良に大きな期待がかかっているのだ。
セットや小道具に多額の費用がかかり、リハーサルを重ねることで完成まで長い時間を要するのがスタジオコントである。昨今お笑い番組からコント形式のものが減った原因は、不況下でテレビ局側が番組制作にかける予算が厳しいことも影響しているようだ。
現在はバラエティ番組でMCの仕事が多い内村だが、彼の原点はスタジオコントである。6月14日放送の『あさイチ』(NHK総合)のプレミアムトーク・コーナーに出演した内村は、新番組にかける意気込みを語った。
6月18日から始まる『LIFE!~人生に捧げるコント~』はNHKのBSプレミアムで、これまで不定期に2回放送されたバラエティ・コント番組である。「コント番組が冬の時代。それを打破できるのは、内村さんしかいない」という、NHK側の熱い期待が込められてのレギュラー化のようだ。
内村がスタジオコントにこだわるようになったのは、伝説のコント番組『夢で逢えたら』。ここで出会ったダウンタウンの圧倒的に完成されたお笑いコンビを前に打ちのめされ、そして学びながらウッチャンナンチャンは大きく成長したのだという。この頃の内村は人付き合いを全部相方の南原清隆に任せ、自分は打ち上げにも行かず、ひたすら自宅でネタを考えていたそうだ。彼が、「気難しい」「何を考えているのか分からない」と噂されるようになったのはこの頃からである。
そしてコントを作り演じる上で分岐点となったのは、原田泰造(ネプチューン)との黄金コンビで話題だったコント番組『笑う犬』シリーズの小須田部長役である。無理難題を押し付けられ、世界各国へ飛ばされる小須田部長。演じているうちにあまりにも可哀想で惨めで、内村は涙が出てきそうになったと話す。ここから彼は勢いで演じるアクションで笑いをとるコントから、演技力で笑いをとることに目覚め、役にのめり込んでしまうようになったのである。この小須田部長役以降、内村には“哀愁”を漂わせる役がやたら多く来るようになったそうだ。
今回『LIFE!~人生に捧げるコント~』には、『笑う犬シリーズ 』の脚本を手がけた経験のある作家が2人参加しているようだ。内村は若い頃に比べてスタミナは無くなったが、体を張ったコントもしてみたい-と話す。MCをやっている内村の姿しか見たことのない若い世代の方々にも、ぜひ“憑依芸人”と呼ばれる彼のコントを見ていただきたいものだ。
(TechinsightJapan編集部 みやび)