writer : tinsight-yokote2

【巨大地震・盛岡から】その14 医師が過労で緊急入院も。医療看護現場はもう限界。

震災からすでに1週間が経過、余震は徐々に減っているというのに、医療現場からは不安の声が高まる一方です。医薬品不足も深刻な中、いよいよ診療にあたっている医師や看護師の疲労が限界に達しているのです。

19日の地元紙「岩手日報」は、被災地である県立高田病院の佐藤敏通副院長が、盛岡市の県立中央病院に緊急入院したことを大きく報じました。食事も睡眠もままならない状態で、心と体の疲労を休めることなく5日間も診察にあたって来たそうです。

副院長を支えて来たのは、恐らく医師としての使命感ひとつでしょう。しかしついに力尽きてしまい、自らも “患者” となってしまったのです。残してきた患者への心配に加え、実は妻・淳子さんがこの震災で行方不明となっているため、副院長は抗不安薬の力を借りて眠ったとのこと。肉体は疲れているのに神経が不安、恐怖、苦悶などで高ぶってしまい眠れない。記者の周囲でもそう口にする人が増えています。

被災地の医師、看護師らの中には、自らも被災者あるいは行方不明となっている家族を抱えている人も多いのです。医療ボランティア体制がいまだ確保されていないことが、今回の件でも浮き彫りになりました。ヘルプ要請が続々と被災地から伝えられています。 全国から大勢の医療ボランティアスタッフが集まり、スムーズに配置されることを祈ってやみません。
(TechinsightJapan編集部 古瀬悦子)