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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】元・殺虫剤工場地帯に中学校新設 生徒に皮膚炎、白血病やリンパ腫も(中国)

毒物を扱う複数の化学薬品工場が閉鎖され、その跡地のすぐ脇に中学校の新キャンパスが誕生した。しかし生徒らが次々と体調不良を訴えているもよう。医師の診断の結果、深刻な病名を告げられる生徒もいることを『新浪/新聞中心(news.sina.com.cn)』が伝えている。

医師の診断により、500名近くの生徒が予想もしていなかった様々な病名をつけられてしまったのは中国・江蘇省の中でもトップクラスに位置する「常州外国語学校」という中学校の新キャンパス。恐ろしいことにガンの発症を確認された生徒もいる。原因はそのロケーションにあったもよう。新キャンパスは昨年の9月に完成したが、そこはかつて毒物を扱いながら殺虫剤を生産していた化学薬品工場が3軒も立ち並んでいた土地のすぐ脇であった。彼らは汚染水を川に放出し、有毒物質は土壌に埋めたことを認めているという。

同校の生徒数は現在2,451名。そのうち641名が体調不良を訴えて医師の診察を受け、493名が気管支炎や皮膚炎と診断されたほか、悪性リンパ腫や白血病と診断された生徒もいる。保護者はこれに一致団結して猛烈に抗議。環境アセスメントの調査結果が発表される7か月前に建設を始めていたことも判明し、学校や常州市が生徒や職員の健康を守る意識を欠いていたと厳しく批判している。

さらに詳しい調査でわかったのは、キャンパス周辺の土壌からは基準値を78,899倍、そして地下水からは基準値を94,799倍も上回るクロロベンゼンが検出という許し難い事実。環境アセスメントも“地下水は使用不可能(中国では現在80%の地下水がこれに相当)”というありきたりなもので、生徒たちの顔や腕には妙な発疹が出ていることから今年1月に再検査が行われたが、そこで有毒物質が検出されると行政側は汚染土壌を地層処分にすることに。2月には「再々検査により危険物質は検出されず」と発表していたが、生徒たちの体調不良は改善されていなかった。

北京大学で公衆衛生学が専門のPan Xiaochuan教授は、国営中央放送局『CCTV』とのインタビューで「そうした危険な環境にさらされ続ければ、白血病や他の悪性腫瘍の発症につながります」と断言。保護者らは今、「よその土地に新キャンパスを移転させてほしい」と懇願している。この学校は同省でも有名な進学校で学費は年間100万円ちょっと。将来は海外に留学する生徒も多く、親は「学校がいいだけに中退はさせたくない」と辛い胸のうちを吐露している。

当然ながらこの件は「微博(ウェイボー/weibo)」でも大炎上。10万人が“悪化の一途をたどるこの国の環境汚染、健康被害の話題には強いフラストレーションを感じる” “安心して子供にミルクを飲ませることもできない。予防接種も不安だ。おまけに学校に行かせることも危険なのか” “行政はもっとしっかりと監督を”と不満のコメントを残しているようだ。

出典:http://news.sina.com.cn
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)