エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】コン・リーが主演映画『妻への家路』で“老妻”役。男女が憧れる美貌の女優が新境地に挑戦。

コン・リーが最新作『妻への家路』で今までの美しい外見からは想像もできない役柄を演じている。170cm近くの身長と豊満なプロポーションでデビュー当時から男女が憧れてきたコン・リーも今年で50歳となる。彼女は本作で女優として新たなステージに進んだ。

映画『妻への家路』でメガホンをとったのは『HERO』『単騎、千里を走る。』などで知られるチャン・イーモウ監督だ。コン・リーとは『紅いコーリャン』『秋菊の物語』『活きる』など、数々の名作を生み出してきた最強コンビでもある。しかし、2人は恋愛関係となったこともあり、約8年間の交際を経て破局したと報じられている。そんな中で、チャン・イーモウ監督は本作の主演にコン・リーを抜擢した。本作の主人公を演じきるには彼女の才能が必要だと感じたのだろう。

ストーリーはスティーヴン・スピルバーグ監督やアン・リー監督が「あまりに切ない記憶の物語」と絶賛した、老いた夫婦を描いたものだ。

切ない夫婦の物語を演じたチェン・ダオミン、コン・リー(C)2014, Le Vision Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved

“文化大革命で引き裂かれた夫婦が、20年ぶりに再会するも、妻(コン・リー)は夫の帰りを待つ心労のあまり夫(チェン・ダオミン)の記憶を失っていた。実の夫が隣にいながら、帰らぬ夫の帰りを待ち続ける記憶障害の妻。果たして妻の記憶は戻るのか、そして夫婦はもう一度抱きしめ合うことはできるのか─?”

コン・リーは夫への愛は変わらないのに、20年待ち続けた心労により、夫の姿や顔は忘れてしまった妻を演じる。撮影が始まる前に、彼女は病院と老人ホームで実際に生活し、多くの観察と研究を行い、この病気を患った人たちの肉体と心理を体感した。

チャン・イーモウ監督は「我々はそのような過程を“生活体験”と呼んでいます。私に言わせれば、役者なら誰でもやるべきことです。クリエイターとしての私と、コン・リーという役者の昔からの習慣でもあります」と語る。彼女ならばそれをやるだろうと期待していたかのようだ。

また、老いた妻を演じる上で、コン・リーが老人の特殊メイクをしたのは、最後の数分間のシーンだけだったという。チャン・イーモウ監督は、「見た目の扮装はすべてではなく、一つの手段に過ぎません。メイクに頼らず、内なる演技でキャラクターを生かすのは、優秀な役者の証です」とその女優魂を評している。

『妻への家路』で新境地に挑むコン・リー(C)2014, Le Vision Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved

コン・リーは演じ終えた想いをこう語っている。「私の役は、この上なく素晴らしい役ですが、演じるのがとても難しい。不可能な任務に挑んでいるような、観客に全く新しい“コン・リー”を見せているような気持ちになりました。再びチャン・イーモウ監督とチームを組んだことで、監督の作品がより深く成長し、さらに困難なことに挑戦しているのだと確信しました。この役が、8年前の『王妃の紋章』の役よりも難しかったのは確かです。でも私はその挑戦を楽しみました。楽しんだからこそ、演技への情熱を感じることができたのです」

コン・リーがその美貌と類いまれな演技力で中国を代表する国際派女優のひとりであることは今も変わらない。それでも彼女は、本作において美しい外見へのこだわりを捨て、内面からにじみ出る人間としての美しさや儚さを見事に表現した。女優としての全く新しい顔を是非スクリーンで確かめてみてはいかがだろうか。

映画『妻への家路』は、3月6日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開。
(C)2014, Le Vision Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)