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アップロードされた違法コピー動画を瞬時に発見できる映像識別技術を開発 NEC

違法コピー動画の取り締まりはもっぱら人力に頼っているのが現状であり、その成果にはおのずと限度があったが、今般、NECは違法コピー動画を瞬時に発見できる映像識別技術を開発した。
部分改変された短い動画であっても瞬時に発見でき、取り締まり効率の大幅な向上が期待される。

本技術においては、映像の各コマ(フレーム)の様々な位置に、種々の大きさ・形状の領域をペアで複数設定し、それぞれのペアの領域における輝度の差分値をシグネチャとして抽出する。

このシグネチャは人間の指紋のように画像ごとに異なるため、本従来対応が難しかったアナログキャプチャ、再エンコード、テロップ重畳など大きな改変を加えた動画でも正しく検出可能だ。

フレーム中で輝度の差が少ない場合はその信頼度を低くするなどシグネチャの有効性を推定し、有効なシグネチャを重視して識別に利用することで、安定した高精度の識別率と、低い誤検出率を実現。
国際標準化機関のテストでは、平均96%と高い識別率と、5ppm(100万分の5)と低い誤検出率の両立を実証。

シグネチャを1フレームあたり76バイトとコンパクトに設計することで、照合に用いる動画の特徴量を保持するために必要なメモリ容量を大幅に抑制。

これにより、家庭用パソコン程度の処理能力でも、1秒間に1000時間程度の照合が可能となっている。

処理能力の高い高性能な監視用ワークステーションを用意すれば、相当量の検出が可能となり、著作権違反動画の摘発に大きな威力を発揮することになりそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)