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【お笑い峰打ちコラム】M-1グランプリ予復習 南海キャンディーズの進化

 M-1グランプリファイナルは4年ぶり3度目となる南海キャンディーズ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)。今大会のファイナリストに限っていえば、笑い飯に次ぐ経験者である。

 加えて南キャンは今大会きっての知名度を誇っている。しかしそれはコンビとしてではなく、各々のソロ活動により築き上げたものだ。

 しずちゃんはその圧倒的な存在感で早くから活躍の幅を広げている。数々の映画やテレビドラマに出演し、恋の噂が世間をにぎわすまでになった。容貌もすっかりあか抜け、今では女芸人たちの中に混じるとやや違和感を覚えるほどとなっている。

 お笑いコンビはどうしてもボケに注目が集まりやすいが、南キャンにおいてはしずちゃんが女性ということもあってか、一見した格差はより顕著である。だが、山ちゃんあってこその南キャンだということを忘れてはならない。

 不細工、気持ち悪いなど世間の評判は散々な山ちゃん。それだけで芸人としては武器足りえるが、彼の持ち札はそれだけではない。トークでの切り込み方が非常に巧いのだ。

 山ちゃんの言葉のチョイスは一級品だ。なんでやねん、あほか、漫才においてツッコミはあいづちに終始することが多かったが、最近ではそこにこそオリジナリティを確立するのが流行となっている。山ちゃんはいち早くそれを取り入れ、相方のボケを活かしてきた。しずちゃんの強烈なキャラクターをただの出オチで終わらせないのは、ひとえに山ちゃんの力である。最近ではしずちゃんには及ばずとも、ソロ活動も増えてきた。

 別々の舞台でそれぞれが活躍している南キャン。そんな2人の力がぶつかり合う漫才は、4年前に比べてどれほどの新化を遂げているのだろうか。それはそれとして南キャンファンとしては単純に、ふたりそろっての“バーン”だけでも眼福である。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)