米国発!Breaking News

writer : techinsight

【米国発!Breaking News】トイレに紙を詰まらせた生徒に素手で掃除させる。

小学校のトイレに紙を詰めた生徒に罰として、校長が生徒の手で直接紙を取り出してゴミ箱に捨てさせた。学校側からではなく、息子の口から“罰”の事を聞いた両親が怒り、不当な教育として他の両親にも広がっていった。校長の処分について両親、PTAと校長本人の間で論争が続いている。

事の発端は昨年12月、ミネソタ州ミネアポリスのラーン小学校幼稚部の教師が、教室のトイレが手ふき用の紙で詰まっているのを発見したことだった。誰がやったのかと生徒達に尋ねると、6歳の生徒が名乗り出た。教師は授業と他の生徒のことで忙しかった為に問題に対処してもらうよう急遽校長のダグ スティールを呼んだ。スティールは生徒と共にトイレに入り、もう一度生徒に事情を聞き、生徒は素直に紙を詰めたことを認めた。スティールは生徒に紙を手で直接取り出し、ゴミ箱に捨てさせた。その後生徒に手をキレイに二度洗わせて、教室に返した。スティールと担任教師は事件当時便器には尿などはなかったと話している。

小学校ではデイリーレポートを各生徒に書いている。学校側は両親にトイレでの事件を報告すべきであるにも関わらず両親は生徒から事情を聞き、生徒のデイリーレポートには“もっと良い判断をしましょう。”ということしか書かかれていなかった。校長の対処の仕方に怒りを感じた両親はすぐに学校に電話をし、校長と面会した。校長は両親に謝罪し、事件を学区に報告した。事件後生徒は同じクラスに在籍し、教師とも今まで通り問題なく勉強を続けたという。

報告を受けた教育委員会は判断が出るまでスティールを有給の停職処分にしたが、委員会内での投票の結果、生徒に強要した懲罰は侮辱的で下劣であるとして、スティールの解雇処分を決定した。しかしドラマはここでは終わらない。公平な処分ではないとスティールが委員会の判断に抗議し、調停者を含む話し合いにまで発展していった。調停者は今回の解雇処分は厳し過ぎると判断し、スティールに15日間の停職処分を下した。

今後スティールは助成金や州への報告書の管理などを担当し、裏方として学校に残ることになっているが、PTA、教育委員会はスティールがいずれまた校長として戻ってくるだろうと不満を示している。その後問題の生徒の両親が担任教師を脅迫しはじめた為に学校側はセキュリティーを強化し、また生徒を別のクラスに移動させていた。怒りの収まらない両親は同学校に通う3人の子供達を今秋から別の学校へ入学させることになっている。
(TechinsightJapan編集部 村居唯衣)