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アンケートに協力いただきありがとうございました!
©2009『ララピポ』製作委員会
成宮寛貴主演、中村ゆり、森三中の村上知子が共演の映画『ララピポ』を、映画の舞台である渋谷で最終日ギリギリに見た。TVの人気者を抑え、ローティーンが集う渋谷であえて公開したR-15指定の『ララピポ』。安っぽい題名と、ゴミゴミした雰囲気、若く雑多な出演者による“若者映画”に正直期待していなかったが、これがどうして早くも(記者独断による。)“今年のベスト1”が出てしまったようだ。
野心家の風俗スカウトマン・健治(成宮寛貴)に街でキャッチされ、言われるままにランパブ→ヌキキャバ→AV女優と次々職替えするデパガ(デパート店員)のトモコ(中村ゆり)。モテる健治を恨みながらセックスを盗み聴きする下の階の住人杉山(皆川猿時・大人計画)。それに、ロリータ・アニメ声優で実はデブ専AV女優の小百合(村上知子)、スーパーヒーローを夢見るカラオケ店員(吉村崇・平成ノブシコブシ)、ゴミ屋敷の主婦(濱田マリ)など登場人物が皆ばっちりとはまっていて、ムチャクチャ上手い。
都会における「ダメな人間」に見られがちな人たちの、それぞれ「そうなってしまう事情」がキチンと描かれている。
地味な20歳のデパガのトモコが、好きになった男のために風俗嬢やAV女優になる過程。トモコは一見「おバカな子」だが、好きになった男がアレならそれも仕方が無い。そう思わせるほど成宮の健治はカッコイイ。さすがエステ通いする成宮クンの体はキレイで、“旬”以上の魅力がこの役に出ている。現代版女衒(ぜげん)、またはジゴロが「金づる女をメンテナンスする」為にする“お仕事セックス”や、淫乱主婦(濱田マリ)に精力を吸い取られてグッタリするシーンなどはリアルで可笑しい。
健治が(勝ちと負け)の「この世には2種類の人間」がいるというセリフの“負け”を描写した人たちも面白い。自分のイチモツが唯一の話相手である、ひきこもりライター杉山(このイチモツ・クンは、映画のマスコットキャラクター。)と、“売春宿化”するカラオケ店でチーマーに脅されたり、女子高生にからかわれたりするバイトの光一。この二人はオナニーばっかりして自分の殻を破る事ができない。
これに加え無意味な暴力を小百合に振るう新聞配達員の男や、トモコを守ろうとするデブ公務員など「どんなに“志が高かろうと”容姿や金に恵まれていない報われない男たち」を嫌というほどよく見せる。
彼らに対し、他人を騙し脅すワルな健治はどこまでも調子が良く、女や警察、映画を見ている観客までをもたらしこめる。しかし物語の終盤でちょっとしたトラブルがいっぺんに重り、彼の調子の良さも危うくなり、ピンチに陥る。
トモコを愛している事に気づいたがやはりスカウトを続ける健治、ゴミだらけの家を失う事でひとり「岸辺のアルバム」な主婦、実は危険と隣り合わせの小百合、報われないオナニー男二人。別々の場所でみんなが一斉に笑うラストは、人生に一つや二つ影のある大人ならだれでも共感できる最後だ。
中村ゆりの顔がハッキリせず、途中誰だか分からなくなる点や、実は下流に生きる人間をあまり認めていないコラムニストの勝谷誠彦がカメオ出演している所。主婦の犯した重大犯罪の見逃しや、意味無く打たれるデブたち、お笑いとして処理される男性同士の性被害など、気になる部分もたくさんあるのだが映画のスパイスとして上手く効いているので、成宮クンの「実は低い鼻」に免じて許してあげよう。
“多くの人”を意味する映画『ララピポ』は、欲望と金、都会の小さな希望も教えてくれる。オシャレな音楽とポップな映像でつなぐ一見“チャライ映画”の中に、今多くの若者が直面している濃い目の人生が見え隠れしている。スクリーンで見逃した人は残念。どうしても見たい人は、今後上映予定の地方まで足を伸ばすか、ロングラン上映してくれそうな何処かの映画館にお願いしてね。
『ララピポ』
監督:宮野雅之 脚本:中島哲也 出演 成宮寛貴
(編集部:クリスタルたまき)
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【参照】
映画『ララピポ』公式サイト