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<テック推薦図書>日本版LOST?『東京島』。漂着した無人島は地獄か?楽園か?

2009年1月11日 10:00

那覇港を出帆したクルーザーが難破し、一組の夫婦が見知らぬ無人島に流れつく。
いつまで待っても助けは来ない。
そして、3カ月後には、離島でのきついバイトから逃げてきたフリーターが23人、その後には日本への密航中に捨てられた中国人が10人余り漂着して自給自足の生活を始める。
それぞれが生と欲に執着し、生きていくことに懸命になっている。
いつしか“トウキョウ島”と呼ぶようになった、流れ着いたこの島は、果たして地獄なのか、楽園なのか...




無人島に漂着する...というロビンソー・クルソーを思わせるような古典的な設定で、脱出するためにもがいているのか?といえば、そうでもない。なかなか助けが来ない。のんびり手芸を楽しんでみたりする。あるがままをいつしか受け入れつつ、生きることと欲望に懸命になっている登場人物達に、極限状態に置かれた人間は、いつかその極限状態にも慣らされてしまうものなのか。

無人島にたった一人の女性。セックスを武器に君臨する清子の存在。それを取り巻く人間関係と力関係。そして、中国人との対比で、中国人が協力してよりよい食材集めに血眼になり、脱出への努力を一生懸命やっているそばで、椰子の実でアクセサリーを作る「文化」へ傾注していく生活力・生命力に欠けた日本人の生活感覚、価値観の違いが浮き彫りになる。

性を巡り諍いが起こり、発狂していく人々がいて、「自分だけが助かればいい」という凄まじい利己主義、裏切り行為....
結局、男は「社会」という組織でしか生きられず、女は社会という枠組みに縛られ生きてはいないから知恵としたたかさがあれば、どんな極限状態になっても生きていける。そんな印象を受けた。リアリティと幻想の狭間で読み手を飽きさせず、最後まで引っ張っていく力のある1冊だ。
(Techinsight図書委員会)

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【参照】
Amazon.co.jp「東京島」

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