米コロラド州デンバーの元心臓専門医(36)に今月下旬、懲役158年の有罪判決が下された。この元心臓専門医は、出会い系アプリで知り合った複数の女性の飲み物に薬物を混ぜ、相手の意識を朦朧とさせて抵抗できない状況にして性的暴行を加えていた。終身刑に値するこの判決に対し、被害者と家族からは拍手が起こった。米ニュースメディア『CBS News』などが報じた。
25日、コロラド州デンバーのデンバーの裁判所で、エリック・ジョンソン判事(Eric Johnson)は元心臓専門医スティーブン・マシューズ(Stephen Matthews、36)に対し、「2019年から2023年に出会い系アプリで知り合った女性10人に薬物を与え、そのうちの8人に性的暴行を加えた」として懲役158年を言い渡した。
心臓専門医だったスティーブンは当時、出会い系アプリ「ティンダー(Tinder)」や「ヒンジ(Hinge)」などで知り合った女性をタウンハウスに誘い、薬物を混ぜたドリンクを勧めたうえで性的暴行に及び、陪審員は今年8月に有罪の評決を下していた。
被害者の数人は「スティーブンとお酒を飲んだ後、何が起きたかについて記憶が曖昧だ」「意識を取り戻すと、彼と一緒にベッドで裸になっていた。すでに性的暴行を受けた後だった」などと証言しており、スティーブンは有罪が確定すると法廷で号泣した。
そうして迎えた25日、量刑が言い渡される前には、被害者や家族、支援者ら合わせて21人が「スティーブンの犯罪によって精神的、肉体的、社会的な影響を受けた」として自身の経験を感情を込めて証言し、ある女性はスティーブンに対し、こう述べた。
「私たちは今や、強力な生存者の集団である。それに対し、あなたは何者でもない。それどころかあなたは“ナルシストのモンスター”であり、“連続レイプ犯”よ!」
また、被害者の多くが「スティーブンは性的暴行後、『君は飲み過ぎたようだね』とか『酒に弱いんだな』などと話し、まるで女性側に落ち度があるように仕向けていた」とも語っており、それぞれが長期にわたる不安や鬱、被害妄想や精神的な問題を抱えていることを明かした。
さらに被害者の母親の一人は、怒りを込めて「あなたがやったことは卑劣で、恐ろしいほど残酷だ。あなたは女性やその家族に終身刑を科したのよ!」と述べた。
エリック判事は、スティーブンに対し「この事件には圧倒的な証拠が揃っている。君はこの世界をより暗黒なものにしたんだ」と語り、