警察官が中に入った時にはベッドやドア、床は血だらけで、あるドアの下には、犬たちが中に入ろうとして噛みちぎったと思われる大きな穴が開いていた。
ジライヤ君は顔や頭、首を噛まれて非常に危険な状態で、地元の病院に搬送されたが、特に喉の怪我がひどく、自力で呼吸ができない状態だった。そして、緊急手術後に集中治療室で監視が続けられていたが、心停止を起こし、その日の午後9時半に息を引き取った。
報告書によると、13歳の少女はジライヤ君を頭上に持ち上げるなどして、助けるためにできるだけの努力をしたという。しかし、犬たちは何かの上によじ登り、少女の手からジライヤ君を引き離して襲いかかったそうで、サラザール保安官とジライヤ君の母エリカ・カストロさん(Erika Castro)は、この少女のことを「ヒーロー」と呼び、その勇気を称えた。
一方でヘザーは9日、娘に怪我をさせた容疑とジライヤ君を適切な監視なしで放置した容疑でも起訴された。捜査には非協力的で、3頭の犬を動物保護サービスに引き渡すことさえ拒絶し、サラザール保安官は「彼女は襲われた男児のことよりも、犬のことを心配しているようだった。これは懸念すべきこと。それに犬たちに問題があると分かっているのに、危険を承知で子供たちを危険に晒していた」と述べ、怒りをあらわにした。
なお、ヘザーは今春にも「攻撃的な犬を放し飼いにし、近隣の人々を危険に晒した」として、警察官が自宅に駆けつけていた。現在は約1490万円(10万ドル)のほか、追起訴により約2230万円(15万ドル)が上乗せされた保釈金が設定され、ベクサー郡刑務所に拘留されている。有罪が確定すれば、最高で約149万円(1万ドル)の罰金が科されるほか、5年から99年の懲役刑か終身刑になると報じられている。
事故を受けて、ヘザーと家族ぐるみで付き合いがあったエリカさんは、「その日は保育園が休みで、ヘザーがベビーシッターを申し出てくれた。彼女を信頼していたのに」と肩を震わせ、次のように語った。
「ヘザーが犬を飼っていたことは知っていた。ただ犬たちは常に、安全な場所に隔離されていると思っていた。あの日、ヘザーはジライヤと『一緒にいるから』と言っていたのに、呼び出されて仕事に行ってしまった。ヘザーがあの子と一緒にいてくれたら違っていたでしょうに…。」
そして、このニュースには「なんであんな汚く、危険な犬がいる家に我が子を預けたのだろう」「なぜピットブルの飼い主がベビーシッター? それも子供2人とピットブルを残して仕事に行ってしまうなんて」「心が痛む」「防げた事故」「いつもピットブルが事故を起こす。ピットブルの飼育は禁止すべき」「親もピットブルを飼っていることを知っていたのでしょう。彼らにも責任がある」といったコメントが寄せられている。
ちなみに今年6月にもブラジルで、祖母宅のソファーに一人で寝ていた生後5か月の女児が、飼い犬に襲われて死亡した。この時、両親は買い物に出かけていた。
画像は『KENS 5 YouTube「Parents mourn 1-year-old son killed in vicious dog attack」』『New York Post 「Babysitter charged after 1-year-old boy mauled to death by her pit bulls: ‘A tug-of-war for the baby’」(Bexar County Jail)(Bexar County Sheriff’s Office)(SBG San Antonio)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)