イギリスの動物園で3月19日、希少種のコウモリが出産する瞬間をカメラが捉えた。陣痛が起きている間も、赤ちゃんが誕生する瞬間も、コウモリは天井のネットからぶら下がったままだった。誕生したばかりの赤ちゃんコウモリは、へその緒のおかげで地面に落ちることはなく、母親は生まれたばかりの赤ちゃんを抱きかかえ、ぶら下がったままケアをし始めたという。テックインサイト編集部では、この動物園にインタビューを試みたところ、同種のコウモリは飼育環境下で世界に約120匹しかおらず、出産シーンがカメラで捉えられたのは貴重なことと明かしてくれた。
英ノーサンバーランド州フェルトンにある「ノーサンバーランド動物園(Northumberland Zoo)」で、絶滅危惧種に指定されている「コモロオオコウモリ(Livingstone fruit bats)」の“セリーン(Selene、6)”が出産した。
先月19日午後3時頃、飼育員はセリーンがソワソワしながら自分の体を舐めていることに気付いた。いつもと違う様子のセリーンに困惑したスタッフだったが、陣痛が始まっていることが分かり、カメラを回して出産の一部始終を捉えることに成功した。
その動画には、天井のネットにぶら下がりながら、自身の下腹部を何度も舐めるセリーンの姿が映っている。普段は足で天井のネットに掴まり逆さまの体勢だが、陣痛が始まったセリーンは、翼の先端についている指で天井のネットに掴まって、重力を利用して分娩を促そうとしていた。
それから約2時間、セリーンは足でぶら下がったり手でぶら下がったりと、何度も体勢を変えて陣痛に耐え、ついに赤ちゃんが誕生した。手でぶら下がった状態のセリーンから誕生した赤ちゃんコウモリは、