このほど台湾からタイに向かっていた機内で妊婦が産気づき、機長が赤ちゃんを取り上げたという驚きのニュースが届いた。陣痛が始まった妊婦の介助を客室乗務員らとともに行った機長は、「18年のキャリアで初めてのことです」と話しているという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。
機長としての職務の垣根を越えて出産の手助けをしたのは、ベトナムの格安航空会社「ベトジェットエア(Vietjet Air)」に勤めるジャカリン・サラーンラクスクルさん(Jakarin Sararnrakskul)だ。ジャカリンさんはパイロットとして18年の経験を持つベテランで、当時は台湾の台北からタイのバンコクへ向かうフライトで操縦席に座っていた。
飛行状況を確認しながら操縦していたところ、客室乗務員から「トイレで女性が陣痛を起こしています」という報告が入った。予想外の緊急事態にジャカリンさんは驚きながらも、状況を確認するために女性の副操縦士に操縦を任せ、コックピットを離れた。
急いでトイレへ向かうと、陣痛の痛みに耐える女性の姿があった。飛行機は上空数千メートルを航行中で、女性の様子から近くの空港に緊急着陸をする余裕がなかった。ジャカリンさんはこれまでに出産介助の経験がなかったものの、緊急事態を目の前にして他に選択肢はなかった。
1児の父でもあるジャカリンさんが出産をサポートすると、すぐに元気な男の子が誕生した。ジャカリンさんのみならず、他の客室乗務員も手助けし、生まれた赤ちゃんは“スカイ(Sky)”とあだ名を付けられた。そして目的地であるバンコクに到着すると、