がん治療には髪の毛を失ったり、生殖機能に影響が出たりとさまざまなリスクが伴う。そんな過酷な治療をイギリスに住むある女性は2年間も耐えてきたが、のちにがんは元から発症しておらず、全くの誤診だったことが判明した。英ニュースメディア『Sky News』などが伝えている。
英イースト・ライディング・オブ・ヨークシャー州ビバリー在住のメーガン・ロイルさん(Megan Royle、33)は、2つの医療機関を相手に訴訟を起こしていたが、このほど裁判外の和解となり、彼女は無事に和解金を獲得することとなった。
メーガンさんは29歳だった2019年9月、右腕のホクロが大きくなって痒みを伴い出したため、ファミリードクターの紹介でロンドン市内にある「チェルシー・アンド・ウェストミンスター病院」の皮膚科を受診した。そこで検査を受けた結果、医師は皮膚がんの一種「悪性黒色腫」であることをメーガンさんに伝えた。
メイクアップアーティストであるメーガンさんは、治療に専念するため仕事から一旦離れ、同市内にある欧州最大のがん治療病院「ロイヤル・マースデン病院」で本格的な治療を受けることになった。治療前に再度検査を受けたが、結果は陽性だったという。
その後、がん治療が生殖機能に影響することもあるため、メーガンさんは自分の卵子を凍結保存することにした。そして腕にある悪性腫瘍とみられる組織を2センチ幅で肩から肘の手前まで切除する手術を受けた。手術後は9サイクルの免疫療法を受けており、