英国船社「サガクルーズ」が運航する「スピリット・オブ・ディスカバリー号」は、乗客定員数が999人、乗組員数が517人で、全長236メートルもある大型豪華客船だ。この人気客船でクルーズを楽しんでいた乗客たちが、死を覚悟するほどの恐ろしい状況に見舞われた。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。
スピリット・オブ・ディスカバリー号は現地時間10月24日、英ハンプシャー州にあるポーツマス国際港からスペインのカナリア諸島を巡る14日間のクルーズへと出港した。しかし、旅も折り返しとなった今月4日、北大西洋の一部であるビスケー湾で天気が崩れ、海は荒れて高波に見舞われた。
同船は自動安全システムが作動して大きく左に方向転換し、その際に高波に乗り上げて船体が大きく揺れ出した。船長からは船内放送で「その場にしゃがむか伏せるように」と指示があったというが、突然の衝撃により怪我をする乗客が相次いだ。乗客の一人だったジャン・ベンダルさん(Jan Bendall、75)は『BBC(英国放送協会)』の取材に応じ、次のように語っている。
「夫と一緒に命がけで(物に)しがみついていました。とても恐ろしかったです。私はあまり物事を恐れるタイプではありませんが、それは非現実的でした。負傷者がいたため、部屋で待機するように言われた土日(今月4~5日)の間は、ダイニングルームに臨時の医療エリアが設けられていました。そのような状況でも乗組員の皆さんの対応は本当に素晴らしかったです。」
また、