450日以上も連続で豪華なクルーズ船に乗り続けるオーストラリア人の夫婦が話題を呼んでいる。2人はクルーズ船のどのスタッフよりも長く乗船していると言い、新たに就任した船長を迎えることもあるそうだ。夫婦は、介護サービスのない高齢者施設“リタイヤメント・ホーム”に入居するよりも安いと話しており、今のクルーズ船では残り8か月、その後は別のクルーズ船を既に1年分予約しているという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。
オーストラリア出身のマーティ・アンセンさん(Marty Ansen)とジェス・アンセンさん(Jess Ansen)夫妻は昨年6月、2000人乗りのクルーズ船「Coral Princess」を予約して乗り込んだ。それからは51回も連続で予約を入れ、現在まで450日以上を船の上で過ごしている。ジェスさんは「船内の誰よりも長く船に乗っているし、私たちが交代する何人もの船長を船で迎えるんです」と笑って話す。
マーティさんとジェスさんはもともとクルーズ旅行が好きで、これまで何十年もの間、何度もクルーズ船に乗って出かけてきた。しかし、パンデミックが起きてからはクルーズ旅行ができなくなってしまい、長い間クルーズ船に乗ることができず、うずうずしていたという。
マーティさんは「代理店の担当者に『何でもいいから、予約ができるものがあれば予約してくれ』と言ったんです。それがこの長いクルーズ旅行の始まりですよ」と経緯を明かした。
予約代金には全ての食事が含まれており、部屋には毎日清掃が入る。こうした理由から、2人は「リタイヤメント・ホームに入るより安い」と語る。リタイヤメント・ホームとは、家事や食事など、高齢者の日常生活をサポートするサービスを提供する施設のことだ。基本的に介護サービスがないので、ある程度自立した生活ができる高齢者が入居の対象となる。こうした施設に入るよりも安上がりで、かつディナーショーが楽しめたり、クルーズ船のプールなどの施設も使えるとなると、クルーズ旅行を選ぶのも納得がいく。
クルーズ船のホテルマネージャーであるレン・ヴァン・ルーインさん(Ren van Rooyen)は、マーティさんとジェスさんよりも乗船期間が短いそうだ。レンさんは「私が一度船を離れてから戻ってくると、彼らは家族が会いにきたようだといつも冗談を言っていますよ。私が両親に会いに来たみたいにね。2人は本当に、2番目の両親みたいなものです」と笑って話している。
レンさんのみならず、クルーズ船のほとんどのスタッフと顔なじみになった2人は、