今月19日からヨーロッパ各地を暴風雨“バベット(Babet)”が襲い、死者が出るなど大きな被害をもたらしている。そんな厳しい状況の中、洪水のせいで取り残されてしまった羊を、牧羊犬が救出する動画が話題だ。水浸しの状況を物ともせず、羊を見事に誘導して救い出した牧羊犬の行動に称賛の声が寄せられている。英ニュースメディア『North Wales Live』などが伝えた。
今月23日の時点では、ヨーロッパ各地を襲った暴風雨“バベット(Babet)”の影響で、英国で少なくとも7人の死亡者が出たと報道されている。バスや電車は一部運休し、ロンドンではいくつかの駅が封鎖されるなど、人々の生活にも影響が出ている。
ウェールズ北東部フリントシャー州で農場を営むシアー・ダーウィッドさん(Llyr Derwydd、44)は今月20日午後、飼育している羊たちが無事であるか確認するために外へ出た。シアーさんは、「確認しに行くと、3頭の羊が牧草地に取り残されてしまっていたんです」と当時を振り返る。
洪水の影響で牧草地のほとんどは濁った水に覆われており、3頭の羊は唯一残っていた草地に逃げ込んでいた。しかし水位は次第に上昇し、羊たちのいる草地もどんどん狭くなっており、このままでは逃げ場が無くなり溺れてしまう可能性もあった。
「手遅れになる前に、早く羊たちを安全な場所に移動させなければ」と考えたシアーさんは、一緒にいた牧羊犬の“パッツィー(Patsy)”に、いつも通り羊を追いかける指示を出してみた。当時、羊がいる草地には泳いでいかなければならない状況で、パッツィーが動いてくれるか定かではなかった。
いつもと違う光景に戸惑うかとも思われたが、パッツィーはためらうことなく羊の方へ向かって走り出した。当時の様子を捉えた動画には、