猛スピードで自宅に戻ると、妻のスーさん(Sue)に病院に連れていってもらったという。
ブライアンさんの身体の小さな傷には絆創膏が貼られ、左ふくらはぎの傷は縫合されて包帯が巻かれたそうで、スーさんは「夫はあの晩、厚手の生地のTシャツを着ていたの。でももし、それを着ていなかったら重傷を負っていたに違いないわ」と溜息交じりに語った。
抗生物質が処方されて、傷は順調に回復しているというブライアンさんは、「自分を襲ったのは、灰色の被毛のオオカンガルーだと思っているよ。近くにはメスのカンガルーの群れがいたから、あのオスは群れを守ろうとしたのかもしれないね」と述べていた。
一方、豪ニューイングランド大学の環境&農村地域科学学部で生態学の准教授をしているカール・ヴァーンズさん(Karl Vernes)は、今回の攻撃について次のように指摘した。
「あのオスはブライアンさんを人間とは思わず、カンガルーのオスと勘違いしたのではないか。そして『オス(ブライアンさん)が、近くにいたメスの集団との交尾を目当てに近づいてきた』と警戒し、攻撃したと推測している。」
ちなみに発情したメスと最初に交尾できるオスは、体が大きく、一番強い個体だと言われており、カンガルーは常にオス同士で争い合うという。そしてオスの闘いは半端なく、ヘッドロックを仕掛けたり、蹴りを入れたり、鋭い爪で相手を攻撃し、力強い腕を使って相手を投げ飛ばすそうだ。
オーストラリアでは昨年、59歳の男性が体長180センチ超のカンガルーに襲われ、当時の様子を捉えた動画が拡散した。男性は総合格闘技(MMA)の元トレーナーで、格闘は6分22秒も続いたという。
画像は『ABC 2023年10月5日付「Kangaroo attack in St Arnaud leaves 74-year-old with ‘slipper full of blood and pants half torn off’」(Supplied: Sue O’Donnell)(Supplied: Sue O’Donnell; Tim Bergen(file))、2022年4月29日付「Woman ‘stomped’ on by kangaroo during attack at Gold Coast golf course」(ABC Gold Coast: Steve Keen)』『9News 2023年3月19日付「Sydney woman attacked by kangaroo while trying to rescue joey」(Nine)、2022年9月13日付「Kangaroo kills man on Western Australian property」(9News)』『The Sun 2017年1月17日付「ROO NEARLY KILLED ME Jogger suffers horrific injuries after being ripped to shreds and kicked around like a ‘rag doll’ by savage kangaroo on her morning run」』のスクリーンショット、『9 News Australia 2022年5月31日公開 YouTube「Victorian man fights feisty kangaroo in dramatic six-minute brawl | 9 News Australia」』のサムネイル
(TechinsightJapan編集部 A.C.)