ジェスさんの変わった趣味に対して「信じられないほど協力的」だという。エイブリーさんは子育ての経験はなかったが、「赤ちゃん」に服を着せたり、おむつを替えたりして自信をつけたという。カップルはこれらの人形を本物のように扱っているが、あくまでも人形であり、本物の乳児ではないことを認識している。「テーブルやソファなど、本当の赤ちゃんを置いてはいけない場所によく置いています」とジェスさんは明かす。
リボーンドールの存在は、コロナ禍の制限下でジェスさんに安らぎをももたらしたそうだ。パンデミックの間、ジェスさんは外出することに大きな不安を感じていたが、エイブリーさんがベビーカーを買ってくれたおかげで、人形を連れて地元の公園を散歩することができるようになったという。そして数か月後には、ベビーカーなしでも一人で外出できるようになった。ベビーカーを押して出かけた経験がとても楽しかったことから、ジェスさんは今でも時々ベビーカーに人形を乗せて外出しているという。
カップルはいつか我が子を授かることを望んでいるが、今のところリボーンドールで満足しているそうだ。ジェスさんは「リボーンドールを抱くことは本当に素晴らしいことです。ストレスを感じたり、不安になったりしたとき、人形を抱っこしているととても落ち着きます。ある意味、親になるための準備の機会を与えてくれます」と説明している。また「奇妙に聞こえるかもしれませんが、赤ちゃんとの絆を深めることができる経験だと思います」と付け加えた。
ジェスさんにとって、リボーンドールの存在はかけがえのないものとなっているが、家族や友人からは様々なリアクションがあるそうだ。ジェスさんの人形への愛情を理解できない人もいるが、母親のニッキーさん(Nicky、60)のように、心から応援してくれる人もいる。ニッキーさんは、ジェスさんを人形展に誘ってくれたりしているそうだ。一方で、父親のアンドリューさん(Andrew、55)は、ジェスさんの人形への興味について奇妙に思っているという。しかし、ジェスさんが楽しんでいること、そしてそれを恥ずかしがらずに話していることを誇りに思っているそうだ。
リボーンドールへの愛情に溢れるジェスさんだが、現在はリボーンドールの制作も行っており、インターネットで販売している。人形を制作するには約3週間の作業が必要だというが、2023年5月に始めて以来、これまでに約14体の人形を制作した。
人形は それぞれ200ポンド(約3万6600円)未満で販売し、2000ポンド(約36万6600円)の収入を得たという。ジェスさんは「本物そっくりの人形を作れるかどうか試してみたかったんです。1つの人形を作るのに必要なものがすべて送られてくるキットを入手しました」と話している。最初の人形づくりの完成度は酷いものだったそうだが、ジェスさんはその過程で喜びを見つけたという。そして人形を再塗装して、(リボーンドールの)コミュニティの人々への恩返しの気持ちで人形を買う余裕がない人のためにプレゼントしたそうだ。
今回のニュースを見た人々からは、「私も欲しい」といった好意的な声のほか、「精神的な問題を抱えているのでしょう」といった冷淡なコメントも見受けられた。
なお、テックインサイト編集部ではジェス・エリスさんに、リボーンドールが子育てのための準備として適している理由や、今後のリボーンドールのコレクションや販売計画について話をうかがうべく取材を申し入れている。
画像は『MyLondon 2023年9月18日付「East London couple spent £6,000 on 13 lifelike ‘fake babies’ after feeling lonely in lockdown」(Image: SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)