「彼女はもう少しで命を落とすところだった。ただこれは誰にも起こり得ることよ」と述べると、こう続けた。
「まさかこんなことで人生が変わってしまうなんて、彼女は考えてもいなかったでしょうね。でもローラには人工呼吸器が装着され、医療的な処置による昏睡状態に置かれたわ。敗血症で手指も足指も下唇も真っ黒で、腎不全を起していたのよ。」
ちなみに6歳の息子がいるローラさんのそばには、パートナーのホゼ・バルデスさん(Jose Valdez)が付き添っており、アンナさんは現在、クラウドファンディングサイト「GoFundMe」にアカウントを設置して寄付を呼びかけている。
今回の件を受け、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の感染症専門家であるナターシャ・スポティスウッド医師(Dr. Natasha Spottiswood)は、感染予防について次のように呼びかけた。
「皮膚に傷がある人は、癒えるまで海水に接触しないようにすることが大切です。特に免疫力が低下している人は日頃から注意して、危険な行動を回避して生鮮魚介類を摂取しないことを推奨します。」
なおビブリオ・バルニフィカスの感染者が特に多い南部フロリダ州では今年、8月までに26人の感染者が確認され、そのうちの5人が死亡している。そういった背景から今月1日、米国疾病管理予防センター(CDC)は「海水温の上昇とハリケーン『イダリア』の影響でビブリオ・バルニフィカスに感染する危険性が高まっている」と警告を出していた。
CDCによると、アメリカでは毎年150~200人が感染し、約5人に1人が命を落とすという。また体調が悪化後、1~2日で亡くなることも少なくないため早期の治療が必要とされる。症状は発熱、寒気、腹痛、下痢、激痛、皮膚病変(紅斑、紫斑、水疱、内出血、潰瘍など)などで、菌が全身にまわってしまうと敗血症を起こし、死亡率が高くなるという。
画像は『Daily Express 2023年9月17日付「Mum loses all of her limbs after eating undercooked fish and catching deadly infection」(Image: GOFUNDME)』『NDTV 2023年9月17日付「Tilapia Warning: US Woman Loses All Four Limbs After Eating Contaminated Fish」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)