厚い被毛と太い骨、たくましい筋肉、そして強靭な歯が脅威となる。
スミス氏は「ハイイログマは大きく、鋭く、強靭な歯でエイミーさんの頭、または首を狙ったのだろう。それは本能というもので、敵を無力化させるには最もよく使われるんだ」と明かすと、こう語った。
「もし人間がハイイログマに首や頭を殴られたり、噛まれたりされたら破壊的なダメージを受ける。人間の柔らかで薄い肌、大量の血液、血管、神経はズタズタにやられてしまうんだ。」
「エイミーさんは2本の鋭い牙で首に噛みつかれ、頸動脈を引きちぎられた可能性がある。辺りには血しぶきがあがり、数秒で失血する。」
「他に考えられるのは、大きな口で頭を挟まれ、頭蓋骨が押し潰されて即死した可能性だ。または脊髄を噛みちぎられ、神経系に損傷が及んだのかもしれない。」
「これらはハイイログマらしい行動だけど、クマには近づかないことだ。人間の身体の組織というのは、クマに噛まれたらひとたまりもないからね。」
なおマラソンを趣味としていたエイミーさんは、朝早起きをしてトレイルを走るのが好きだったそうで、スミス氏はハイイログマが襲撃した理由についてこう分析した。
「トレイルを走っていたエイミーさんは、たまたま子連れの母グマに出くわした。そしてスピードを上げて迫ってきたエイミーさんに母グマが脅威を感じ、自分たちを守るために襲ったのだろう。クマが人間を食べることはあまりないが、遺体を食べなかったのは目的を達成したからと思われる。」
ちなみにクマの襲撃を避けるためには、音を出してクマが逃げる時間を与え、グループで行動したり、クマよけスプレーを携帯することが重要だという。それでも襲われてしまった場合は、顔を下にして頭の後ろで手を組んだり、バックパックなどで首を守ることが効果的とのことだ。
画像は『ABC7 Chicago 2023年7月26日付「Woman found dead after suspected bear encounter near Yellowstone, officials say」』『The Mirror 2023年7月28日付「EXCLUSIVE: Horrifying final moments of Yellowstone bear attack as woman gored to death」(Image: Brigham Young University)(Image: abc7)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)