まるで電源が切れたように膝から崩れ落ちてしまったのだ。ディジットはうつ伏せになるように倒れ、そのまま動くことはなかった。
アジリティ・ロボティクスによると、ディジットは3月20日から23日までの展示会で合計20時間以上稼働していたという。ほとんど正常に動いており99%の成功率を示していたが、映像にもあるように数回ほど転倒することがあったそうだ。
同社でコミュニケーション本部長を務めるリズ・クリンケンビアードさん(Liz Clinkenbeard)は「ディジットが何度か転倒したという事実を公表することで、どんな新しいテクノロジーにも同様の問題は起こることがあり、大した問題ではないと示したかった」とコメントしている。なおディジットは、転倒した後も残り2日のデモで問題なく稼働したという。
ディジットが倒れる様子を収めた動画は、再生回数がすでに160万回を超えており、コメント欄には「なんだか可哀そうだ。充電が必要なのかな?」「休憩が必要だったんだよ」「これは絶対過労死でしょ」「明日仕事に行かなくちゃいけないと分かった時の私みたい」などディジットを気の毒に思ったり、ジョークを飛ばす声が寄せられた。
またコメントの中には「働くのが嫌になったのかもね」など、冗談ながらもロボットの意思で倒れたのではないかという声も届いていた。リズさんは転倒の原因について「ソフトウェアのバグ、またはセンサーのエラーによるものです。修理が必要な場合もありますが、20分以上かかることはありません」と述べ、続けて「機械に人間味を持たせ過ぎたり、意思を持たせたりしないように注意していきたいと思っています。ディジットは人のように見えますが、実際にはプログラムに従い、物理的な作業ができるコンピュータです」と説明した。ディジットにはAIに近いものを搭載しているそうだが、自ら停止することを選んだわけではないとリズさんは話している。
ちなみに昨年7月にはロシアでチェスの大会中、7歳少年が対戦相手のAIロボットに指を骨折させられる事故が発生していた。
With a 99% success rate over about 20 hours of live demos, Digit still took a couple of falls at ProMat.
We have no proof, but we think our sales team orchestrated it so they could talk about Digits quick-change limbs and durability. #ConspiracyTheories pic.twitter.com/aqC5rhvBTj
— Agility Robotics (@agilityrobotics) April 6, 2023
画像は『Agility Robotics 2023年4月6日付Twitter「With a 99% success rate over about 20 hours of live demos, Digit still took a couple of falls at ProMat.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)