当時のケイティさんの様子についてこう語っている。
「ケイティは何かするとすぐ疲れてしまう状態で、外出するのも難しくて。自宅の2階に行く時も階段を一気に上ることができず、途中で座って休憩をしながら上っていたことを覚えています。そんな彼女の姿を見るのはとても辛く、どう表現していいか分からないほどでした。でもドナーとその家族、ウォルワーク教授と彼のチーム、そしてケイティの勇気のおかげで私たちは35年間友情を築くことができたのです。」
そして手術から35年が経った今年の9月29日、ケイティさんはウォルワーク教授と再会した。
現在、王立パップワース病院の理事長を務めているウォルワーク教授は、心肺移植手術を受けた人がどれだけ生き延びることができるのか当時は予測できなかったとして次のように述べている。
「35年というのは並大抵のことではありません。当時のケイティさんは非常に顔色が悪く、15歳という若さにもかかわらず死期が近づいていました。それから何年も経った今、彼女はただ生き延びただけでなく、とても良い人生を歩んでいます。その姿を見て本当に素晴らしいと思いました。」
心肺移植手術を受けた患者の中でも最長生存者の1人だというケイティさんは、さらに1994年と2015年に腎臓移植手術を受けたそうで、これまで臓器提供をしてくれたドナーとその家族、そして医師たちへの感謝をこのように明かした。
「35年前に受けた移植手術のあと、わずか8か月でGCSE(英国の全国統一試験)で好成績を残すことができました。その後もフルタイムで働き、旅行もして、夫のレックス(Lex、57)と結婚もして、2匹の犬も飼っています。私は自分を制限することなく他の健康な人と同じように生活してきたのです。ウォルワーク教授がいなければ私はここにいないでしょうし、私の命が助かったのはこれまで臓器提供してくれたドナーとその家族、そして医師たちのおかげです。人生で3回の移植手術を受けることができた私は信じられないほど幸運だと思っています。」
画像は『The Mirror 2022年9月29日付「Woman returns to hospital after 35 years to thank surgeon who saved her life as a child」(Image: Tim Merry)』『BBC News 2022年10月1日付「Royal Papworth transplant patient meets surgeon 35 years on」(PA MEDIA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)