養女として育ったイギリスに住む59歳の女性が、実の両親を探すためDNA検査を受けた。検査結果から両親の情報は得られなかったが、妹がいることが分かった。56年という長い時を経て、今年の6月に初対面を果たした姉妹は「今この時に出会えてよかった」と互いの絆を確認し、これまで育ててくれた里親に対する深い感謝の気持ちを新たにしたという。
姉妹はともに、アメリカのミシガン州で生まれた。姉のダイアン・ウォードさん(Diane Ward、59)が生まれた時、実母は10代だった。そのため生まれて間もなくダイアンさんは養女に出され、ペンシルベニア州ピッツバーグの里親のもとで育った。現在は結婚しイギリスに住んでいる。
妹のメアリー・マクローリンさん(Mary McLaughlin、56)は生まれて数週間は実母と暮らしていた。しかし実母は近所の住人にベビーシッターを頼んだ後戻らなかったため、彼女はその住人の養女となり、ミシガン州デトロイトで育った。現在は結婚し、アメリカのアーカンソー州パラグールドで生活している。
姉のダイアンさんは、自らが養女とは知っていたが実の両親のことは何も知らずに育った。そこで2018年、自分へのクリスマスプレゼントとして「マイヘリテージ(MyHeritage)社」のDNA遺伝子検査キットを取り寄せた。マイヘリテージ社は、オンライン家系図を作成するサービスを提供するイスラエルの企業で、同社のDNA遺伝子検査によって自分の民族的ルーツや家族の歴史を調べ、新しい親族を見つけることを可能にしている。
DNA検査の結果から、ダイアンさんにはいとこたちがいることが分かった。いとこらはダイアンさんにメアリーさんの情報を伝え、姉妹を引き合わせてくれた。その後まもなくして、コロナ禍ということもあり、ダイアンさんとメアリーさんの初顔合わせはビデオチャットを介して行われた。この時、メアリーさんの夫は姉妹の初顔合わせがうまくいくか心配で、そばで2人のやりとりを見ていたが、ダイアンさんの顔や身振りを見て、