フランスのある医学生が、野菜や果物を“患者”に見立てて手術をする解説動画をTikTokに投稿し話題を呼んでいる。自らを「フルーツ外科医」と呼ぶこの医学生の手術解説動画は640万回以上も再生されている。彼の“患者”となる野菜や果物には顔が描かれており、シュールにも見えるこれらの動画であるが、その実際の手術さながらの精巧さから医療関係者からも認められ、さらにはこれから手術を受ける患者に安心感を与えると大きな反響を呼んでいる。
『Le Figaro』などが報じたところによると、「フルーツ外科医」を名乗るのはロビン・ゴンセさん(Robin Goncet)というグルノーブル大学6年生の医学生だ。現在25歳のロビンさんは、野菜や果物を使用した外科手術の様子をTikTokに投稿して楽しんでいる。彼はTikTokのアカウントで「fruitrurgien(フルーツ外科医)」と自己紹介をしており、そのフォロワー数は395,000人以上にのぼる。
ロビンさんが「フルーツ外科医」としてTikTokに動画投稿を始めたのは、2020年春の最初のロックダウン時のことであった。フランスでは当時、新型コロナウイルスの蔓延が深刻で自宅から1キロ以上離れた場所への外出は制限されていた。この外出制限は多くのフランス人の生活に悪影響を与えたが、医学生であるロビンさんもそのうちの一人であった。
フランスの上級医学生は3か月間にわたり病院の様々な診療科で働く体験をし、指導を受けるインターンシップに参加することになっている。実はこのロックダウンが発令される前、ロビンさんは手の外科手術の実習を終えたばかりで、小児科のデイホスピタルでのインターンシップが決まっていたが、ロックダウンのため中止となってしまった。
実習の機会を奪われたロビンさんはその後、