事故発生時の様子をこのように振り返る。
「オペレーターの女性は(叫び声に気付き)ライドを緊急停止させましたが、操作室から出てこようとせず、その場にいた子連れの背の高い父親が息子を降ろしてくれました。」
「私も夫も、息子のいる位置まで背が届かなかったんです。」
「スタッフは単純に息子の安全バーを下ろし忘れ、確認もしませんでした。」
トリスタン君は自閉症を抱えており、今回の事故で受けたショックや恐怖は母親のスカイさんにも確認できないという。またフリーフォールは緊急停止ボタンによって地上数メートルの位置で停止したものの、救出までの間に転落などの危険性もあったようで、スカイさんはこう明かしている。
「(自閉症児の)トリスタンの行動は衝動的です。息子が次に何をするのか分からないし、その場に留まるということは本当に難しいことなんです。」
「確実に息子が立ち上がって、何かすると思った私はパニック状態でしたが、息子に話しかけ続けることしかできませんでした。」
幸いにもトリスタン君に怪我などはなく、このフリーフォールは事故発生直後に運行中止となった。イースター・ショーの責任者マレイ・ウィルトンさん(Murray Wilton)は「事故を受け、フリーフォールは13日の夜に撤去される」と話していた。
また事故原因について、労働災害を防止し安全な職場環境を実現するための取り組みを行う「セーフワーク・ニューサウスウェールズ(SafeWork NSW)」も調査に乗り出したようだが、事故現場に居合わせた人々からは以下のような人的なミスを指摘する声が多数あがっている。
「トリスタン君の安全バーが下りていないことを、オペレーターは知らなかった。」
「オペレーターは緊急停止ボタンを押したけど、そこからフリーフォールを地面に降ろす方法を知らないようでした。そのため誰かがトリスタン君のそばに行き、飛び降りる彼を受け止めなければなかったんです。」
「(オペレーターは気付いておらず)フリーフォールの上昇を止めるのにみんなで叫んでいたね。」
「乗り物が動く前に、なんの安全チェックも行われていなかったわ。」
スリルを味わうことができる絶叫系ライドは人気が高いが、その運行には十分な安全対策が不可欠だ。先月24日には、米フロリダ州オーランドの複合型エンターテインメント施設「アイコン・パーク(ICON Park)」にて14歳の少年の安全バーが下がっておらず、転落死する事故が起きていた。
画像は『7NEWS 2022年4月13日付「Sydney Royal Easter Show ride to close after young boy was left unrestrained」(Credit: 7NEWS)』『Metro 2022年4月11日付「Boy, 4, clings on to ‘free fall’ ride after harness flung open」(Picture: Reddit)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)