ロシアで心臓が脱出した状態で誕生し、約6年前に治療のために母と渡米したヴァーサビア・ボルン=ゴンチャロワさん(Virsaviya Borun-Goncharova)が先月30日、13歳の誕生日を迎えた。「病気を知ってもらいたい」とこれまでにも多くのメディアに登場してきたヴァーサビアさんの近況を『Truly』が伝えた。
米フロリダ州に住むヴァーサビア・ボルン=ゴンチャロワさんは、100万人に1人という腹壁の先天性奇形「カントレル症候群」を患っている。ヴァーサビアさんのケースでは胎児の時に胸骨の一部や横隔膜がうまく形成されず、誕生した時には心臓が胸郭外に飛び出した状態だった。
母ダリさん(Dari)が病気について知ったのは妊娠26週の時だったそうで、『Truly』のインタビューでは当時のことをこのように語った。
「医師に『この子が生き抜くことはないだろう。きっと死んでしまうから中絶したほうがいい』と言われました。私はショックで病院の床に崩れ落ち、泣き叫びました。」
「ただ愛する娘を中絶することなどできるはずもなく、私は娘を産んだのです。」
しかしヴァーサビアさんは医師の言葉に反して数々の困難を乗り越えて成長、念願の米国での手術は心臓に近い大動脈の血圧(中心血圧)が高すぎることから叶わなかったものの、ダリさんは「13歳になった娘を誇りに思っているし、心から愛している」と涙を流す。
一方でティーンエイジャーとなったヴァーサビアさんは、現在の生活についてこう明かしている。
「学校は楽しいけど、私の心臓のことでからかわれたり、嫌味を言われたりするとつらくなるわ。」
「病気について知らない人は私の心臓を見て『痛みが酷いのだろう』とか『虚弱体質なのだろう』と思うようなの。でも実際はそんなことはなく、私の人生は概ね幸せよ。」
「私が普段の生活でできないことは、走ることや速く歩くこと、階段の昇り降りなどね。なぜなら酸素レベルが低下してしまうからよ。酸素レベルがひどく下がったり、喘息の発作を起こした時のために、携帯型酸素濃縮器を用意していつでも使えるようにしてあるわ。」
なお薄い皮膚のみに覆われている心臓は衝撃に弱く、