今から約6年前、難病の治療のために5歳の女児がロシアから母と2人だけでアメリカに渡った。女児は「生存することはないだろう」という医師の言葉に反し、11歳に成長した。『Metro』などが伝えた。
ロシアで生まれたヴァーサビア・ボルン=ゴンチャロワちゃん(Virsaviya Borun-Goncharova、11)は、腹壁の先天性奇形である「カントレル症候群」を患っている。
これは約100万人に1人の割合で発生し、ヴァーサビアちゃんの場合、胸骨の一部や横隔膜が欠損しているため心臓が胸郭外に飛び出している。このため心臓は薄い皮膚のみに覆われているだけで、常に心臓に衝撃を与えないように注意して生活しなければならない。また左右の心室を分けている心室中隔に穴が開く「心室中隔欠損」、心臓から肺へ血液を送る血管(肺動脈)の血圧が高くなる「高血圧症(PH)」にも苦しんでおり、常に健康状態のチェックが必要だ。
母ダリさん(Dari)は妊娠中に医師から「誕生前に亡くなる可能性が高い。万一生き延びたとしても生存することはできないだろう」と言われたが、ヴァーサビアちゃんは11歳に成長し、現在は米フロリダ州で暮らしている。
今から5年前のこと、ヴァーサビアちゃんは「何とか手術を受けさせたい」というシングルマザーのダリさんと一緒に、ロシアから米マサチューセッツ州ボストンにやってきた。ヴァーサビアちゃんのことは当時、世界中のメディアで伝えられ多くの寄付も集まったが、最終的には心臓に近い大動脈の血圧(中心血圧)が高すぎることから手術は叶わなかった。
その後、ヴァーサビアちゃんは医師の勧めで暖かいフロリダ州に移住。新しい土地で学校にも通い、たくさんの友達もできた。学校では心臓を守るためにプロテクターを使っているが、