スコットランドで暮らす4歳の女児は昨年、稀な疾患である「急性散在性脳脊髄炎(ADEM)」と診断された。この病気により女児は話すことや歩くこと、自分で食事を摂ることもできなくなってしまったそうだ。両親は「まるで新生児の頃に戻ったよう」と語ったが、数か月間に及ぶ治療を受けて現在は少しずつ元気な姿を取り戻しているという。『Daily Record』『The Mirror』などが伝えている。
スコットランドのインヴァネスに住むレクシー・フォーサイスちゃん(Lexie Forsyth、4)は昨年8月、体調を崩して医師の診察を受けたところ、ウイルス性の感染症と診断された。
しかしその後も嘔吐などの症状が続き、意識を失うようになってしまったレクシーちゃんは大きな病院に搬送されることとなった。そして詳しい検査を受けた結果、稀な疾患である「急性散在性脳脊髄炎(ADEM)」に侵されていることが判明した。
母親のエミリア・ブラナルさん(Emilia Blanaru、34)は、レクシーちゃんの病気が発覚するまでのことをこのように振り返っている。
「去年の夏に嘔吐やけいれん発作などの症状が出るようになって、当初はウイルス性の感染症だと診断されていました。でも病状が悪化する一方で…その後レクシーが意識を失い始めたためウィックのケイスネス総合病院(Caithness General Hospital)からインヴァネスにあるレイグモア病院(Raigmore Hospital)に転院しました。当時サーソーで暮らしていた私たちは陸路でインバネスに向かう予定でしたが、娘にとっては時間との闘いだと判断され110マイル(約177キロ)の距離を空路で移動することになったのです。」
「病院に到着後、レクシーは7日間ほど昏睡状態に陥りました。医師たちは最初、尿路感染症を疑っていましたが、髄膜炎の可能性も考えて抗生物質とステロイドを投与しました。そして腰椎穿刺などの検査を繰り返し、必死に原因を突き止めようとしていました。そして2か月後、レクシーは急性散在性脳脊髄炎であることが分かったんです。この稀な炎症により脳が腫れ上がってしまったせいで娘は話すことも歩くことも、自分で食事をすることもできなくなってしまって…まるで新生児の頃に戻ったようでした。」
この病気はウイルス感染などをきっかけに強くなりすぎた免疫力が自分の体を攻撃してしまう自己免疫という現象によって、