羊水で満たされた卵膜内で成長する胎児は、出産時にはその膜が破れて生まれてくる。しかしこのほどイギリスで、卵膜に包まれたまま赤ちゃんが誕生して大きな注目を集めた。幸せの象徴として知られる“被膜児”の誕生を『Liverpool Echo』などが伝えている。
今月16日、英マージーサイド州サウスポート在住のジェニファー・ピートリーさん(Jennifer Petrie)とテオ・マーティンズさん(Theo Martins、32)の間に、待望の第1子リオ・ペトリ・マーティンズ君(Rio Petrie Martins)が誕生した。
赤ちゃんの誕生は誰にとっても奇跡のような出来事だが、ジェニファーさんとテオさんはリオ君が特別な生まれ方をしたため仰天したという。
子宮内で卵膜に包まれて成長した胎児は通常、狭い産道を通る時に卵膜が破れて誕生する。リオ君は出産時に卵膜が破れることなく、膜に包まれたまま誕生する“被膜児”として生まれてきたのだ。日本では幸帽児(こうぼうじ)とも呼ばれ、文字通り“幸”せの“帽”子を被って生まれた胎“児”として幸運の象徴と考えられている。
英語圏では“マーメイド・バース(人魚の出産)”とも呼ばれる被膜児の誕生は、日本と同様に縁起の良いものとして認識されている。アメリカ国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)に掲載された論文によると、8万人に1人のレアケースであるという。
ジェニファーさんは陣痛が始まった当時、