今から約3年前、当時45歳だった女性が顔に重度の火傷を負った。「慣れ親しんだ顔を失った」と語る女性は「もう二度と公の場に出ることはないだろう」と悲嘆に暮れたものの、化粧がきっかけで自信を取り戻したという。壮絶な経験を乗り越えて「人をインスパイアする存在になりたい」と語る火傷サバイバーのストーリーを『SHAKE MY BEAUTY』などが伝えた。
米ジョージア州アトランタ郊外に住むトーニャ・マイゼンバッハさん(Tonya Meisenbach)は2018年12月17日、自宅の裏庭に設置されていた焚き火台(ファイヤー・ピット)の火が顔に燃え移り、人生を変える事故に遭った。
トーニャさんは「今でも思い出すだけで震えがする」と明かしつつ、当時をこう振り返った。
「その日は焚き火台のそばで夫ドナルド(Donald)と2人でワインを飲み、楽しいひと時を過ごしていたのです。そして夕飯が遅くなってしまうからと、2人でBBQの支度を始めてすぐに事故が起きました。」
「ドナルドが焚き火台にライター用のオイルを注ごうとしていることに気づかなかった私は、ほぼ同じタイミングでグリルの網の上にステーキを載せたのです。するとオイルを注いだことで上がった炎が、私の両腕から長かった髪に燃え移り、まるでマッチに火をつけた時のように一気に燃え上がりました。」
「私はパニックに陥り、走って火を消そうとしましたが上手くいかず、コンクリートの上でゴロゴロと転がってみましたがダメでした。熱さは感じましたが痛みはなく『ああ、私はこうやって死ぬんだ』と思い、神様に『私は45歳で、生きたまま焼かれて死ぬのですか?』と叫んでいました。」
「その直後でした。夫が現れ『君は大丈夫。僕に任せて!』と言いながら革のジャケットで火を消したのです。17年間連れ添ってきた夫は、それまでに見たことがないような、恐怖とショックが混在した顔をしていました。」
「そうして火が消えると、アドレナリンが出て痛みを感じなくなっていた私は立ち上がり、家の中に駆けこんで真っ先に鏡を見ました。自分の顔がどれだけ損傷を受けたのか見たかったのです。その時の私の顔は赤いだけで火傷が酷いとは思わなかったのですが、後から『水ぶくれができ皮膚の組織が壊死するのは2、3日かかる』ということを知りました。」
トーニャさんは顔と上半身を中心に身体の35%に火傷を負い、