電話口の向こうではガサガサと袋が動くような音が聞こえ、しばらくすると「もしもし?」と父親らしき男性の声が聞こえた。オペレーターは「111コールを受けたのですが、恐らく子どもが間違えてかけてしまったのだと思います」と説明すると、父親は「そうなんです。母親の体調が悪かったので、何か手伝おうとしていたようです」と明かした。
オペレーターは「緊急事態ではないことを確認させてください」と聞くと、男性は「全く問題ありません。私が他の子どもに気をかけている間に、こっそり抜け出してしまったんです」と状況を説明する。
オペレーターは「大丈夫ですよ。男の子はただおもちゃの話をしていました。良い一日を」と返事をして、通話が終わっている。
その後、オペレーターは近隣をパトロールする警察官たちへ出動要請の連絡にて「4歳の男の子が警察官におもちゃを見せたいという111コールでした」と一連の流れを説明した。すると南部地区警察のカート巡査(Kurt)が「分かった。私が行こう」と返答したのだ。
そして男児の家に向かい、たくさんのおもちゃを見せてもらったというカート巡査は「確かにクールなおもちゃを持っていたよ」とのちに明かした。おもちゃのお披露目が終わると、カート巡査は男児にパトカーの内部を見せてあげたり、青いランプを光らせてみたりと寛大な対応で喜ばせたそうだ。
最後に警察帽を被らせてもらった男児は、満面の笑みでカート巡査とパトカーの前で記念撮影をした。
カート巡査はこうした対応で男児を喜ばせるだけでなく、111コールは緊急時の電話番号であることをしっかりと伝え、「幼少期の頃から警察と良好な関係を築くことは、警察に対する信頼や信用を高めることができます。ニュージーランド警察はそのための努力をしています」とコメントした。
なお過去にも子どもによる緊急通報は話題になっており、10歳少年が算数の宿題が分からず緊急コールをしたり、「ズボンがはけない」と2歳女児から緊急コールがあったというケースも発生していた。
画像は『New Zealand Police 2021年10月15日付Facebook「While we don’t encourage children to call 111 to show us their toys, this was too cute not to share」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)