NJIRTの中で最も小柄のジェシカ・ヴァン・オードさん(Jessica Van Ord)で、配管の検査などに使われる特別なカメラでライザの居場所を探知、体を狭い隙間にねじ込んで竪穴を降下し、12メートル下の平らな地面にライザがいることを確認した。
ジェシカさんは「下まで降りると立つことができ、ヘルメットを被っていても横を向くことができました。ライザの近くに行くと息をしているのがわかりホッとしましたが、すぐ後ろには別の穴があいており、ライザを驚かさないよう心がけました」と明かしており、このように続けた。
「割れ目の穴の状況からライザの捕獲にはアシスタントが必要であると判断し、別のメンバーに穴の途中まで降りてきてもらいました。そして先端に輪がついた捕獲棒を受け取ると、ライザの頭上に置きました。捕獲棒の先にはホットドッグ用のソーセージが吊るしてあり、ライザは後ろ足で立ってソーセージを取ろうと動き出したのです。」
「そのソーセージで注意を引く一方で、私はライザの体に輪を引っかけて捕獲しました。この様子をカメラの映像で見ていた人たちからは歓声があがっていました。」
ジェシカさんによると、竪穴の最後の上りはかなり狭く、ライザをレスキュー用バッグに入れて引き上げてもらってから登りきったという。
こうして午後5時頃、NJIRTのメンバーの活躍によりライザは無事救出された。ライザは思いのほか元気で、公園関係者は「カメラの映像にはライザが湿った岩壁を舐めている様子が映し出されていました。ライザが数日間何も食べずに生き延びることができたのはそうやって水分を摂っていたからでしょうね」と語った。またNJIRTには「永遠のヒーロー」「素晴らしい仕事ぶり」「助かったのはあなたたちのおかげよ」といった称賛の声が多数あがった。
なお今回の救出成功を受け、ニュージャージー州の公園関係者は「飼い主がライザと再び会えたことは非常に喜ばしいこと」と述べたうえで、「ペットや飼い主、公園の脆弱な資源を守るためにも、飼い犬にはリードを付けることを徹底して欲しい」と注意喚起している。
画像は『New York Post 2021年10月14日付「Dog rescued from crevice in upstate New York after five days without food, water」(NYS Parks)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)