先月10日、漁船から太平洋の海原に落ちてしまったジャーマンシェパード犬。誰もが「もう生きてはいないだろう」とあきらめていたのだが…。『abcnews.go.com』が伝えている。
アメリカ海軍サンクレメンテ島訓練場はカリフォルニア州サンディエゴから120キロ北西に位置する。1歳の雌のジャーマンシェパード“ルナ”が漁船から落ちたのは、その訓練場から2マイル(約3.2キロ)付近でのこと。ルナの飼い主で漁師のニック・ヘイワースさんはサンディエゴ港の対岸にあるコロナド海軍基地に助けを求めた。しかし2日間にわたってサンクレメンテ島を中心に捜索を続けたものの、ルナを見つけることはできなかった。
海軍の広報担当者サンディー・デマニクさんは「ヘイワースさんから“ルナは泳ぎが得意なので90%の確率で岸に向かったはず”と伝えられていました。でも1週間が過ぎ、もうルナの生存はないだろうとあきらめていました」と語る。
しかし5週間後の今月15日、サンクレメンテ島に訓練にやってきた海軍スタッフは驚きの発見をする。なんと1頭の犬が道路脇でしっぽを振り、スタッフを出迎えたのだ。「飼い犬などいないはずの島に突然犬が現れたのですから、スタッフは驚いたようです。でもこの犬こそ捜索願が出ていたあの“ルナ”だと気づき、すぐ飼い主のヘイワースさんに電話を入れました」とデマニクさん。ルナが発見されたことを聞いたヘイワースさんは、喜びのあまり飛び上がって喜んだという。
保護されたルナは栄養不足ではあるものの健康状態は良好で、デマニクさんは「エルニーニョの影響で悪天候が続く中、ルナは何とか岸まで辿り着きネズミを捕まえてしのいでいたと思われます」と話す。ルナのチャコールグレーの体は島の土の色と似ているため、最初の捜索で見つからなかったのではということだ。
1か月前に「ルナがいなくなって寂しい」とフェイスブックに投稿していたヘイワースさんだが、16日には「ルナが帰ってくるなんて、言葉が見つからない。“ルナはいつだって戦士だ”とわかっていたけどね」と新たなコメントを綴っている。
出典:http://abcnews.go.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)